こんなところに気を付けたい「バリアフリー物件」



去る9月19日は国民の祝日「敬老の日」でした。お年寄りにかんする、様ざまなニュースを目にしたかと思いますが、やはり「長寿国・日本」を象徴するお年寄りの数。65歳以上の高齢者は総人口の約27%、100歳以上のお年寄りは65692万人と、どちらも過去最高となっています。

元気なお年寄りが多い反面、中には要介護の方を含め、身体の不自由な方もいらっしゃいます。今後も高齢者が増加するだろうという状況を踏まえて、お年寄りが快適に暮らせる「バリアフリー物件」に注目が集まっています。



敬老の日の始まりは、小さな村の「敬老会」


「敬老の日」が国民の祝日として制定されたのは1965年9月15日です。2003年には「ハッピーマンデー制度」の実施によって、9月第3月曜日に変更されています(なお9月15日より1週間は「老人週間」になっています)。

敬老の日が制定されるきっかけになったのは、終戦直後の1947年(昭和22年)9月15日、兵庫県多可郡野間谷村(現在は多可町八千代区)主催で行われた「敬老会」だといわれています。この催しは、野間谷村村長・門脇政夫氏(1911年~2010年)が「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」と開いたものでした。9月15日が選ばれたのは、農閑期であり、気候が良かったからだそうです。

その後、「こどもの日」「成人の日」が祝日に制定されましたが、お年寄りための祝日は定められませんでした。そのため門脇村長は、9月15日を村の祝日「としよりの日」にすることを提唱。さらに県内の市町村にも祝日制定を働きかけ、1950年(昭和25年)には兵庫県に「としよりの日」が制定されることになったのです。このような秦柿かけは次第に広がり、1966年(昭和41年)には国民の祝日に関する法律が改正され、「としよりの日」は「敬老の日」として祝日に制定(当時は9月15日)されました。

なお、「敬老の日」成立には諸説があり、飛鳥時代の593年9月15日、厩戸皇子(聖徳太子)が、四天王寺(大阪)に身寄りのない老人を収容する、現在の老人ホームのような施設「非田院」を設立したことにちなんだともいわれています。



お年寄りを考慮した「バリアフリー」とは?


かつての日本家屋は平屋が基本でした。二階があったのは城といった大型建造物をはじめ、街中では商家や宿、銭湯といった施設に限られていました。もともと二階がないのですから、家の中で階段を使うことはほとんどありません。特に庶民は平屋で一生を終えていたといっても過言ではないでしょう。

しかし時代が下ると集合住宅が登場し、一軒家も二階建てが主流になっていきます。エレベーターはあっても、アパートやマンションにはエントランスなどに意外な段差があります。また二階建て家屋の場合、生活は一階中心でも、部屋の掃除をするために二階へ上がらなくてはなりません。若い頃は問題ありませんが、どうしても歳をとれば足腰が弱ってくるため、「ちょっとした段差につまずく」「階段の上り下りにもひと苦労」という問題が生じてしまうのです。

そこで登場したのが「バリアフリー」を採用した建物や住宅です。「バリアフリー」とは身体の不自由な方(高齢者含む)が生活を行う上で支障となる物理・社会・制度・精神的な障害や障壁を取り除くための施策、実際に障害を取り除いた事物や状態を指します。高齢者にかんする具体的な例としては「建物内にある段差の解消、スロープ設置」「公共交通のノンステップバス(低床バス)」「車椅子対応エレベーター」「手すり」「車いすで使えるスペースの広いトイレ」といったものがあげられます。このうち居住空間に多く採用されているのは「段差を解消するスロープ」「車椅子対応エレベーター」「階段や廊下の手すり」「車いすでも使えるスペースの広いトイレ」「手すり付きトイレ、浴槽」などです。

同じような言葉に「ユニバーサルデザイン」があります。事業、整備の内容に似ているところが多いため混同されがちですが、根本は違います。というのも、バリアフリーは身体の不自由な方への配慮が基本ですが、ユニバーサルデザインは個人、国籍に関係なく「誰が利用しても使いやすいトイレやスロープ」など、すべての人を対象としているからです。また、どちらかというとバリアフリーは「行政指導型」、ユニバーサルデザインは「民間主導型」となっています。



お年寄り向け物件探しで注意すること


バリアフリーの集合住宅・一戸建ては、高齢者の方だけでなく、小さな子供さんにも安全だといわれています。家探し、家作りをするときは、先ほど紹介した具体的な施策を採用している物件、自由設計なら将来を踏まえて、バリアフリーを意識した間取りにすることをおすすめします。車椅子の方の場合、賃貸は特に注意が必要です。最近のマンションは、段差がない(スロープ設置)のところがほとんどですが、「車椅子でトイレに入れない」「大型のエレベーターがない」といった点がわかりにくいので、きちんとチェックしておきましょう。

◆お年寄りが賃貸で特に見ておきたいポイント
◯浴室:段差がない。滑りにくい床材を使用している。浴室・浴槽に手すりを設置している。床とお風呂の高さが低めになっている。ヒートショック防止設備が備わっている。
◯部屋全体:開口部や廊下が広めになっている。廊下に手すりがある。
◯トイレ:開口部が広めになっている。転倒防止の手すりが付いている。
◯ドア:室内のドアが引き戸になっている。

最近は、これらの条件をクリアしている「バリアフリー物件」も少なくありません。不動産会社やハウスメーカー、工務店などに行く際は、後から「こんなはずじゃなかった……」ということのないように、こちらの希望をきちんと伝えるようにしてください。

なお東京都には、バリアフリー等の一定の建設基準を満たす、良質な民間賃貸住宅「優良民間賃貸住宅」があります。主な特徴は「敷金は家賃の3ヶ月以内」「礼金、更新料、保証金、権利金不要」「住宅の専用面積は、50㎡以上のファミリータイプ」「バリアフリー仕様になっている」というもので、登録物件は597件 11457戸(平成28年6月20日現在)。東京都は情報提供のみで物件仲介を行ってはいませんが、都内でバリアフリーの賃貸を探してる人にはおすすめだといえるでしょう。







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