新型コロナウイルスの流行により、ライフスタイルは大きく変化しました。

「住居」もそのひとつで、企業のテレワーク導入をきっかけに在宅勤務が増加。さらに感染者の多い都会を離れて、地方へ引っ越す人も目立っています。中には家族は移住し、自分は会社のあるエリアのホテルといった宿泊施設、ウイークリーマンションで暮らすという人もいるようです。

その一方で、転勤などによって引っ越しを余儀なくされる人も。しかし、外出制限が足かせになっているため、直接不動産会社へ相談にいけない、物件の内覧が難しいというケースも多く、次の住処をなかなか決めきれないこともあるといいます。

加えて気になるのが、物件が「コロナ対策をしているか否か」。他人が住んでいたのは当然だとはいえ、平時に比べれば間取り以上に部屋の回復状況が気になるところだと思います。

そこで今回は、コロナ禍の物件探しで気をつけたいポイントを調べてみました。

コロナ禍の中、不動産市場は上向き傾向？

新型コロナのため、様ざまな業界が痛手を受けています。緊急事態宣言の発令による営業時間の短縮、外出自粛要請で、たとえば2021年1月の小売業販売額を見ると、百貨店は前年同月比約30%減。その反面、自宅で食事をする機会が増えたことから、スーパーマーケットは約5%で、4カ月連続で増加しています。とはいえ、人々の活動が制限されているため、国内の経済は不振に陥っています。

不動産業界はというと、他に比較すると市場は活性化しているといえます。その理由は、先述した「在宅勤務（テレワークなど）」で通勤時間にこだわることがなくなったため、住居を郊外へ移す、「地方に移住する」ので現地の物件を探すなど、新たな住まいを探す人が増加したこと。また、「仕事部屋が欲しいので、もっと広い家が欲しい」「住む家とは別にサテライトオフィスが必要」という需要が増えていることも、不動産市場の上向き傾向を促しているようです。

そのため、いい物件はすぐに売れていく状況だといいます。できれば不動産や工務店、住宅メーカーを直接訪問して、じっくり物件を探したいところですが、まずは不動産関連サイトを使い、めぼしい物件を複数ピックアップするのがおすすめです。住みたいエリアや間取り、家賃などの各種条件を絞り込んでおくと、少ない時間で多くのサイトをチェックすることができるでしょう。

賃貸する物件の清掃・除菌状況が気になる

引っ越し先の候補を決める時、気になるのが「物件の清掃・除菌状況」だと思います。人里離れた一軒家ならいざ知らず、集合住宅にはたくさんの人間が住んでいます。いくら感染予防を施していても、コロナに感染してしまう人がいないとも限りません。もし、感染者が出てしまった場合、賃貸人（オーナー）は入居者が安全に生活できるよう、部屋および共用部を消毒する義務があるとされています。

ちなみに個人情報およびプライバシー保護の観点から、管理物件が適切に消毒されている限り、他の入居者へ感染者が出たという通知は行わないことになっています。次の入居者への告知も同様で、清掃・除菌作業が施されていれば、前入居者の感染事実を告知する義務はないとされています。

基本的には、コロナ感染が生じた際、賃貸人（オーナー）には部屋や共用部の消毒義務があるため、必要以上に心配することはないといえるでしょう。

入居前、新居を除菌するサービスなども登場

何となく気になってしまうという場合は、引っ越しの際に自分で清掃や除菌を行うのもおすすめだといえます。清掃は良いとして、「大がかりな除菌は大変」だと思われるでしょうが、最近は小規模店舗や一般家庭向けの予防除菌清掃サービスが充実。専門業者も増えているようです。引っ越し会社が入居前に除菌をしてくれるサービス（除菌サービスだけでも利用可）なども登場し、安心して新しい生活が始められると評判になっています。料金は部屋の大きさで異なるところが多く、ワンルームタイプの間取りで1万5000円前後から。「ケスキン　光触媒コーティング」「ATP拭き取り検査」「賞状タイプの除菌施工証明書」、また「定期除菌プラン」などのオプションも設けている業者もあり、費用と必要に応じたサービスを選択することができます。

除菌を依頼する時は、即断即決せず、複数の業者に見積もりを出してもらい、その中から、予算や目的にあった除菌サービスを受けるようにするといいでしょう。なお、除菌サービスは引っ越しの時だけでなく、通常時でも利用可能です。

緊急事態宣言によって、感染者は減少傾向にあるとはいえ、感染予防対策はまだまだ続けなくてはなりません。引っ越しをするなら、入居前に除菌をしておくと安心だといえそうです。