「職住接近」を意識した住まい探し



家を建てる、賃貸を探す時、「希望の間取り」「学校や駅から近い」「治安が良い」といった条件が頭に浮かぶかと思います。最近、その中に「職住接近」を加える人が増えているようです。「職住接近」とは、文字通り「職場に近いところに住む」ことで、一番のメリットとしては、「通勤時間の短縮」があげられます。またラッシュに巻き込まれなくなるため、通勤で生じる疲労やストレスを軽減することも期待できます。

今回は住まい探しにおける「職住接近」のメリット、デメリットについてお話します。



日本人の平均通勤時間は1時間以上!?


日本の朝の風物詩ともいえる「通勤ラッシュ」。電車やバスなど、公共交通で通勤する人の多くは、毎日遭遇しているのではと思います。最近は時差通勤、フレックスタイム制を導入する企業もあり、多少緩和されているとはいえ、混み合う車内ではストレスがたまることも少なくないでしょう。

日本人がどのくらい通勤に時間を使っているのかというと、平均1時間14分(社会生活基本調査の結果をもとに、総務省統計局が作成したランキングによる。平成23年調べ)」。ちなみに都道府県別にみてみると、1位は神奈川県の1時間40分。2位は同率で埼玉・千葉県、東京都は第4位となっており、ここまではすべて1時間半以上。逆に通勤時間が一番短いのは宮崎県の50分ですが、このことから、日本人は通勤に約1時間かけていることがわかります。



「職住接近」のメリット


高度経済成長期をきっかけに、住宅地が郊外に広がったことも手伝って、かつては職場(都市)から離れたところに住居を持つ「職住遠隔(職住分離)」が主流でした。「最初は賃貸に住み、いずれは庭付き一戸建てを建てる」というライフスタイルがもてはやされたこと、電鉄会社が不動産に力を入れ、郊外に分譲地を作ったことも、「職住遠隔」に拍車をかけたといえるでしょう。

しかし、それが長時間通勤、苛烈な通勤ラッシュを生み出し、人々の心も身体も疲弊させてきたことは周知のとおりです。長時間通勤でクルマを使う場合も、「ガソリンの無駄使い」や「交通渋滞」を招いたといえます。

長時間通勤で生じるストレス、各種弊害の緩和などを踏まえて、近年注目されているのが「職住接近」で、主に下記のようなメリットが期待されています。

◎通勤時間の短縮で、通勤による疲労やストレス、睡眠不足などの健康被害が減る
◎生活にゆとりができ、子育て、家庭の団欒の時間が確保できる
◎男性の帰宅が早くなり、女性の家事・子育てをフォローできる
◎ショッピングや趣味などにも時間を当てることが可能
◎交通渋滞、交通事故の危険性が減少する

また、職住接近には、「交通費負担の軽減」「社員が通勤中、事故や災害に巻き込まれる可能性が減る(帰宅困難なども避けられることができる)」「長時間通勤、ラッシュによる疲労やストレスが減り、社員が仕事に打ち込みやすくなる」など、企業側にもメリットが生じます。このことから、職住接近を奨励している企業を増えており、たとえば勤務地から2~3駅以内に住んでいると住宅手当を支給、また家賃を補助する「2(3)駅ルール」の導入、さらに会社の近くに引っ越す際、「引っ越し補助」を出すところもあるそうです。



「職住接近」はプライベートの確保が難しい?


健康的な生活の実現、会社からの手当支給など、「職住接近」には多くのメリットがある反面、「プライベートがなくなる」「逆に忙しくなった」という声も耳にします。どのようなデメリットがあるかを見てみると……

◎職場が近すぎるとオン、オフの切り替えが難しい
◎家が近い(通勤時間が短い)ので、つい残業してしまう
◎通勤時間を利用した勉強や読書ができない
◎自宅の近所で同僚など社員に遭遇する確率が高い
◎オフィス(都市)の周辺は物価が高い傾向がある
◎特に単身者の場合、同僚らのたまり場になってしまうことがある

「職住接近」にすると、自分の時間が増えるのは事実です。しかし、上記のように会社とプライベートの境界が曖昧になり、それに振り回されてしまう可能性も頭に入れておく必要はあるといえるでしょう。



「職住接近」か「職住遠隔」かは、自分の生活スタイルに合わせて選ぶ


「職住接近」「職住遠隔」、両者にはメリットとデメリットが存在します。ですから家を建てる、家を借りる時、どちらを選んだ方がいいと一概にはいえません。まずは自分のライフスタイル(単身者かファミリーか)、将来の生活設計を考え、よりメリットの多い物件を選択するのがベストだといえるでしょう。終の棲家を決めるにはまだ早い、若い世代の単身者なら、「職住接近」を試してみるのも良いかと思います。

また、自分が勤めている会社が、職住接近をすすめているかどうかも大きなポイントになり、手当てがでる、補助があるようなら、会社に近い物件には恩恵が期待できます。気になるのであれば、一度会社に聞いてみるのもおすすめです。






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