ひとり暮らし初心者が気をつけたいこと



進学や就職に伴い、環境一新。新しい暮らしが始まるという人は多いと思います。初めて一人暮らしをする人は、新生活への期待に胸を躍らせていることでしょう。ただ、親元を離れて賃貸に住む新大学生の中には、監視の目がないのをいいことに羽目を外すことがあるようです。受験から解放され、ようやく自由を手に入れたという気持ちはわかりますが、好き勝手な行動は隣人に迷惑をかけることになります。

今回は学生さんを中心に、ひとり暮らし初心者に起こり得る「隣人トラブル」を紹介していきます。



部屋で宴会。ついついはしゃいでしまった結果……


様ざまな隣人トラブルの中でも、特に多いのは「騒音」です。よくあるのは「同じアパート(マンション)に住む学生が友人を連れ込み、夜中に宴会(大騒ぎ)している。うるさくて眠れない」というケースでしょう。中学高校と違い、時間の拘束が緩やかな大学生は生活がルーズになりがち。さらにひとり暮らしだと、部屋が友人のたまり場となって、昼夜関係なく騒がしい状況に陥ることがあります。

本人たちは楽しいでしょうが、アパート(マンション)住民にとっては大迷惑。たとえば、「規則正しい生活を送っている会社員が騒音によって寝不足になる」「夜中の大声で子供が起きてしまい、泣き止まない」「静かに過ごしたいのに、騒音のせいで落ち着かない」とった苦情が生じます。騒音当事者に直接注意をする住民もいるでしょう。それでおさまれば問題はないのですが、注意しても同じことを繰り返した場合、住民は大家さん、または管理会社に相談します。その対処方法の仕方ですが、よくある例として

◎大家、管理会社が当事者に電話。住民から苦情が出ていることを伝えて、注意を促す。
◎電話連絡が取れない、またはいくら注意しても騒音が続く場合は、「騒音によって迷惑している人がいることを通知(内容は状況や相手によって変わる)する」書面を作成して全世帯に配布する。

といったことが行われています。

心当たりがあれば、さすがに大家さん、管理会社からの忠告は無視できないのか、おおよそ大騒ぎはおさまるそうです。ただ、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、懲りもせず騒ぎ始める人がいます。その場合は待ったなしで、住民から「警察に通報される」可能性があります(配布された書面に、その旨が書かれていることがある)。「学生だし、ちょっと騒いだくらい大目に見てくれるだろう」とたかをくくっていたら、いきなり警察官が……ということにならないよう注意しましょう。



自分では気が付かない「生活騒音」にも注意


「自分は友人を呼んで、夜中に騒いでいないから大丈夫」だと思っていたら、大家さんから「騒音で苦情が来ています」との電話。心当たりはないのに……と悩む人がいるそうです。そのような場合、自分の生活音が周囲に迷惑をかけていることがあります。よくあるケースとしては、以下のようなものがあります。

◎(特に深夜)部屋をどたどた歩き回る
◎遅い時間に洗濯機を回す(シャワー音、炊事音なども含む)
◎楽器やオーディオ、テレビの音量が大きすぎる
◎子供が部屋で暴れる、泣き声がひどい
◎ペットの鳴き声
◎深夜のおしゃべり

「こんなことで?」と思う人も多いと思います。しかし、一般的な生活時間帯であれば問題ないのですが、就寝時間となる22時以降になると、当事者にとっての生活音が住民には騒音となります。またアパート(マンション)には様ざまな住民がいます。音楽の嫌いな人、動物が苦手な人にとっては、些細な音や鳴き声がとても不快に聞こえることもあるのです。
なお、夜中にクルマやバイクのエンジンを空ぶかしさせるといった行為も避けるようにしましょう。



隣人トラブル回避のため、ここにも要注意


アパートやマンションで快適な共同生活を送るためには、他にも守りたい決まりがあります。そのひとつが「ゴミ出し」です。ごみは分別(指定の袋に入れるところもあり)する必要があり、置き場所、回収日も決まっています。そのルールを守らないと収集してもらえず、そのまま放置されてしまい、夏場などは腐って悪臭を放つことも。これは衛生的にも良くないことです。
ゴミ出しマナーの悪い人は、騒音同様、大家さん、管理会社から注意を受けることがあります。ゴミ出しの決まりについては、入居の際に確認しておきましょう。

また、許可なくアパートやマンションの敷地内にクルマを駐車させることも厳禁です。長期間駐車は言語道断ですが、よく「友人がクルマで来たから」と勝手な場所、他住民の車庫にクルマを止め、もめ事になるケースも耳にします。「仕事から帰ってきたら、自分の車庫に知らないクルマが止まっている」「無断駐車のせいでクルマが出せない」などの迷惑をかけないよう、遊びに来る人には駐車場を確保してもらうようにしてください。

学生には自由に見える賃貸での「ひとり暮らし」ですが、周囲には住民がいて、それぞれの生活を送っています。また集合住宅にはルールがあります。「学生だから」とか、「を卒業したら別の土地へ行く(実家に帰る)から、悪評が立ってもかまわない」と甘く考えていると、強制退去のみならず、違反が酷ければ訴えられることもあるのです。そうならないよう、自覚を持って生活するようにしてください。






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