受験シーズンもそろそろ一段落。そろそろ進学先の決まった学生さんの引っ越しが始まります。「通学に便利な学校の近所」「校舎所在地の沿線」という理由で選ぶ人が主流のようですが、中には「トレンドスポットの近く」「おしゃれなエリア」など、いわゆる「憧れの街」に住みたい人もいるといいます。そのような時、参考になるのが不動産会社や賃貸サイト、またテレビのバラエティ番組で放映される「住みたい街ランキング」でしょう。

今回は「住みたい街」のトレンドを紹介したいと思います。

2016年「住みたい街ランキング」の上位人気はどこ

進学・就職・転勤シーズンになると、不動産会社関連媒体（雑誌・サイト）が発表する「住みたい街ランキング」が注目されます。引っ越しを考えている人のエリア情報収集はもちろん、「トレンド・スポット」として興味を持つ人も少なくないようです。

さて、2016年度の「住みたい街ランキング」ですが、どのエリアが人気を集めているのでしょうか？　実のところ、ランキングによって多少のばらつきがあり、あるところでは支持されていても、他のところでは10位圏外のエリアも存在します。

かつて「住みたい街」の代名詞といえば「吉祥寺」でした。「ハモニカ横丁」「アーケード街」に軒を連ねる名物飲食店や雑貨店をはじめ、住民の憩いの場・井の頭恩賜公園、老舗ライブハウス、近年は大型家電量販店も進出。交通面では中央線、井の頭線が利用できるなど、生活・アクセス面で利便性が高く、自然豊かで環境も良いため、長い間トップに君臨していました。

しかし、その様相には変化が生じているようで、このところ注目度が高いのは「目黒区」。「恵比寿」「中目黒」「自由が丘」といったエリアが、吉祥寺を抑えて上位にランクされています。これらのエリアが支持されている理由としては、やはり「交通の便がいい」「ショッピング施設が充実している」という声が多いようです。個別に見ると、自由が丘は「洗練されて、おしゃれな街だから」、恵比寿は「ちょっと高級感があっていい」、中目黒は「都会なのに静かで暮らしやすい」とのコメントがあります。

トップの座は譲ったとはいえ、吉祥寺に住みたいという人は少なくありません。ただ、長く「人気の街」として支持され、そのイメージが全国区になってしまったせいか、同程度の賃貸物件に比較すると家賃が高めに設定されているそうです。また、土日や休日は買い物客、井の頭公園で遊ぶ子供連れが多く、落ち着かないため、同じ中央沿線でも吉祥寺に近い「荻窪」「三鷹」あたりで物件を探す人も増えているといいます。

さらに人気アップが予想されるエリア

「住みたい街ランキング」には、近年人気上昇中のエリアがあります。それは「武蔵小杉」と「品川」。特に「武蔵小杉」駅周辺は再開発が進み、ここ10年前後ですっかりイメージが変わってしまいました。もともと武蔵小杉を含めた南武線沿線は、大手電機会社、情報通信関係企業が点在する工業エリア。しかし、平成に入ってからは工場の移転や閉鎖が続き、その跡地にタワーマンションが建ちはじめたのです。これに連動して再開発計画がスタート。武蔵小杉は工業エリアから住宅街へと姿を変えていきました。

もうひとつの「品川」も、2020年の東京五輪開催に向けて大規模再開発が計画されているエリアです。品川駅と田町駅間に建設される「品川新駅（2020年春に暫定開業）」はもちろん、開発予定によると、新駅開業に向けてオフィス、商業施設に加え、居住用マンションを含む高層ビルが建てられる予定になっています。品川というと、特に南口は「倉庫街」「ビジネス街」とのイメージも強いですが、旧東海道には昔ながらの商店街が残り、日々の買い物にも便利で住みやすいと人気も上々です。

千葉県内の「住みたい街」人気上位

「住みたい街ランキング」は、どうしても東京や神奈川が上位にあがります。そこで千葉県内の「住みたい街」を見てみますと、「船橋」「千葉」「津田沼」「柏」「市川」などが上位にあがっています。「船橋」は、船橋市の中心地であり、駅前は県内でもいちばんにぎわっており、デパート、行政サービスなどが集中していて、利便性が高い街です。また、都内へのアクセスも良く、人気が高いのもうなずけます。また、住みたい行政市区としても船橋市は千葉県内では人気が高いです。
その他の街も、都心へのアクセスが良好で、駅前に商業施設や飲食店などが充実しています。

「住みたい街」は、憧れであり、実際に住んでみたときの「住みやすさ」とは、かわってくるでしょう。他の地域への転居をお考えの場合は、自分のライフスタイルや家族のことなどを十分に検討し、自分にとってどの街が生活しやすいかを考える必要があります。