冬を温かく過ごすための住まい選びとノウハウ



そろそろコートやマフラーが必要な季節がやってきました。すでに12月の気温というエリアも少なくなく、つい先日まで「暑い」「夏日」といっていたことがウソのよう。気温や天気の変化が激しいことから、風邪をひいている人も多いようです。

そこで今回は、「どうして日本の家は寒いのか」を紐解き、マイホーム、マイルームで温かく過ごすための器具などについても説明したいと思います。



「日本の一軒家は寒くて当たり前?」〜日本家屋の歴史と断熱・防寒の現状


日本の家はもともと、「夏の高温多湿」に耐えられるような造りが主流でした。有名な鎌倉時代の随筆家・吉田兼好が、その著書「徒然草」において、「家の作りやうは、夏をむねとすべし。」〜つまり「家は夏を基準に造った方がいい」と残しています。さらに「冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり」と書かれていますが、兼好の生きた時代は「冬の寒さは何とかなっても、夏の暑さは我慢できない」状況だったのでしょう。また、兼好は京都に住んでいたため、「夏暑く、冬寒い」中で生活をしていたと思われます。暑さも寒さもキツイのであれば、日本人は寒さに耐えることを選択したわけです。

現代人にしてみれば、「暑い方が耐えられるのでは?」と思いますが、当時の生活様式(入浴回数が少ない、トイレがないほか)などを考えると、衛生面の点でも風通しの良さが優先されたといえるでしょう。

とはいえ、今や日本の生活インフラは世界最高水準。水道の水がそのまま飲める、稀有な国だといわれています。それなのに、日本の家屋、特に一軒家は未だに寒い。特に観光や出張で日本を訪れた外国人からは、「日本の家は寒い。これでは冬を越せないのでは?」という声も少なくありません。

また、同じ日本に住んでいながら、北海道民の人は本州へ行くと、家の中の寒さに驚くといいます。というのも北海道の家は、晴天であれば日中は暖房つけなくても過ごすことができるからです。その理由は、北海道の戸建てにはドアまで断熱材が入っている、窓ガラスが二重三重になっているなど、断熱や防寒レベルが高いという点。たとえば北海道のような寒冷地と沖縄では、断熱材の厚さなどが大きく異なっています。つまり、北海道では「断熱性・防寒性の高い家」を建てなくてはいけない。さらに断熱材は寒気だけでなく、夏の外気(熱風)も防いでくれるため、基本的に「夏涼しく、冬暖かい家」になっているといえます。



冬の主役もやっぱり「エアコン」? 暖房機器いろいろ。


夏の暑さと冬の寒さ、どちらも防いでくれる強い味方がエアコンです。かつては高級家電でしたが、今や一戸建ての家ならば「ひと部屋に一台」というケースも珍しくありません。かつては「電気代がかかる」といわれていましたが、現在は省エネタイプが多くなっているため、それほど家計に負担がかかることはないといえます。

暖房器具は基本的に「部屋内の空気を暖めるタイプ」と「直接身体を暖めるタイプ」に分けられます。さらに前者は「温風を用いて暖める(対流式)」「赤外線で暖めるタイプ(輻射式)」に分類され、エアコンはファンヒーターと共に「温風を用いて温める」暖房器具になります。このタイプを使うと部屋は素早く温まりますが、体に風があたる、ほこりが舞うなどのデメリットがあります。赤外線ヒーターなどの「赤外線で〜」はじんわり温まり、快適性も高いのですが、全体的に暖まるには時間が必要です。スイッチを入れるとあっという間に熱を持ち、器具のそばならすぐに暖をとれる器機は「電気ストーブ」「セラムヒーター」「カーボンヒーター」「パネルヒーター」「オイルヒーター」などですが、赤
外線ヒーターと同じく、部屋全体を温めるには時間がかかってしまいます。

前述の器具に対するのが、「ホットカーペット(カーペット自体が暖かくなる。安全性が高く導入しやすい)」「こたつ(日本の代表的暖房器具。リビングやダイニングのテーブルと兼用可能で便利な一面も。夏場も使える)」「あんか」「ひざ掛け」「カイロ」「電気毛布」といった「身体を直接暖めるタイプ(伝導式)」の暖房器具です。基本的に身体に触れることで暖をとることができます。部屋全体は暖まりませんが、スイッチを入れるとすぐに熱が生じ、直接身体を温めてくれる点が大きなメリットといえます。



目的によって暖房器具を使い分ける


世界的に見ると、鎌倉時代よろしく、日本人は未だに暖房を我慢する傾向があるようです。高品質の断熱材や床暖房を導入する家も増えていますが、やはり家全体を暖めるという考えは少なく、「使う部屋のみを暖める」「就寝時は消す」という「省エネ暖房」が主流になっています。

今の家が、セントラルヒーティングなど、家全体を暖める暖房をしていないのであれば、暖房器具を効率的に用いることが暖かな冬を過ごす近道。たとえば家族が利用するリビングといった広い部屋であれば、小型の暖房器具を用いるより、その部屋に適したサイズのエアコンが最適です。ヒートショック減少予防のために、トイレやバスルームの脱衣所も同様の電気式暖房器具がおすすめ。逆に子供部屋や書斎など、あまり大きくない部屋の場合、短時間使用ならすぐに暖かくなり、タイマーが付いている電気式の暖房器具、また電気毛布や足専用のあんかが適しているといえます。長時間いるのなら、先述の電気毛布やあんかほか、特に「伝導式」の暖房器具が向いています。

起床時や帰宅時など、とにかく先に冷えた手足身体を何とかしたいなら、先ずは電気式暖房器具を使い、ある程度暖まってきたらエアコンで温風を送り、部屋全体を暖めていくと良いでしょう。

暖房器具には、それぞれメリットとデメリットがあります。それぞれの長所を組合せ、適材適所の暖房で冬を乗りきりましょう。








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