賃貸や集合住宅でペットと楽しく暮らすには



賃貸でも持ち家でも、一戸建てや平屋が主流だったころは、犬や猫を飼う家族が少なくありませんでした。庭の広い郊外や田舎はなおさら。国民的アニメ「サザエさん」よろしく、犬と猫をいっしょに、飼っているところも多かったようです。
高度成長期、東京オリンピック景気(1964年)に始まった「マンション・ブーム」を皮切りに集合住宅に住む人が増えていきますが、当時はペット禁止が当たり前でした。
しかし、ペットの多様化(爬虫類や水生動物)や小型化が進んだこと、また長く続いているペットブーム、ペットと住める集合住宅の登場なども手伝って、マンションでも動物が飼えるようになっています。



「ペット共生型」のマンションやアパートなら快適


かつては「ペットは絶対お断り!」だった賃貸、集合住宅にも、ペットブーム、ペットの多種多様化から、ペットを飼うことができる物件(条件付きを含む)が増えています。古い資料で恐縮ですが、「首都圏におけるペット飼育可能な分譲マンション」調査(不動産経済研究所)によると、2007年のペットを許可するマンションの普及率(全供給戸数に対する割合)は約86%。「一戸建てでなければ飼えない」という状況は、かなり緩和されているといえます。

ひと口に「ペット飼育OK」のマンション、アパート(賃貸、持ち家共に)といっても、建設の段階からペットを飼うことを前提に建てられた「ペット共生型」をはじめ、下記のように様ざまなタイプがあります。

【ペット飼育可の物件】
●ペット共生型(最近は「ペットケアマンション」とも呼ぶ):建築計画の段階から、ペットを飼うことを前提として建てられた物件。ペットと快適に暮らすために設けられた専用施設が設けられている。

主なものとしては、
〔足洗い場〕 散歩などで汚れたペットの足を洗うための施設。エントランス付近に設けられていることが多い。
〔汚物ダスト〕 散歩中に生じたペットの汚物を捨てるためのゴミ箱。
〔ドッグフェンス〕 玄関を開けた際の飛び出し、来客への飛びかかりを防ぐための設備。
〔ペット対応のクロス〕 ペットで生じる汚れやにおいを緩和する素材を使ったクロス。
〔滑りにくい床材〕 「フローリング」「クッションフロア」だと生じやすい、ペットの滑りを防止する床材(滑ると怪我などをしやすいため)。

などがあり、他には「ペット専用くぐり戸」「リードフック」「空気清浄機能」「ペット乗車中サイン付きエレベーター」「グルーミングルーム」「ドッグラン」「キャットステップ/キャットウォーク」などを用意している物件もある。

【その他の物件】
●ペットを飼うことはできるが、飼育を補助する特別な設備や仕様は設置されていない物件。ペットと暮らすためには、飼い主の工夫が必要。
●築年数が経った建物や駅から遠いなどのデメリットで入居者が少ないといった物件を、「ペット共生型」にリノベーションしたマンションやアパート。

なお、「ペット共生型」の物件は便利で快適ですが、どうしても価格や家賃が高い傾向にあります。



犬や猫だけじゃない。マンション、アパート生活に適したペットたち


ペットと聞くと、まず犬や猫をイメージします。しかし、餌をあげる、(屋内の)トイレの始末をしなくてはならないのはもちろん、たとえば犬の場合は「毎日の散歩」、猫なら「爪とぎやキャットタワーを用意する」といったことも必要なので、ペット初心者が飼うにはなかなかハードルが高いといえます。

そこでおすすめしたいのが、屋内のみで飼える小さな動物たちです。代表的なペットとしては、ハムスター、うさぎ、モルモット、近年はフェレットなども人気が高いようです。また、インコや文鳥といった鳥類、金魚や熱帯魚などの魚類もマンションやアパートで飼いやすいペットといえるでしょう。その姿かたちから好き嫌いはあると思われますが、カメやトカゲ、カエルといった両生類や爬虫類もペットとして飼う人が増えています。

ペットを飼う上で特に気を付けたいのは、個体に合わせた生活環境を作ってあげることは当然ですが、家を空ける時のケアです。たとえば旅行などでお留守番をさせる際は、獣医やペットホテルなどに預けなくてはなりません。中でも犬はご主人がいないと寂しがる傾向が強いため、たった一泊二日放置されるだけでもストレスがたまることがあるといいます。

このようなことから、いくらペットが飼える部屋に住んでも、よく考えてからお迎えしてあげるようにしてください。また「ペット可」の物件であっても、「犬猫はダメ」「ケージに入れて飼うペットならOK」と、条件が付いている場合があります。物件を探すときは、不動産会社をはじめ仲介会社に相談するようにしましょう。



ペットを飼うなら、最後まで責任を持つこと


日本人は貴賤を問わず、古代からペットと共に暮らしてきました。その証拠に、平安時代の一条天皇は大の猫好きだったという話が、清少納言の「枕草子」に記されています。また、江戸時代には金魚ブーム、明治時代にはうさぎブームもあったそうですが、これらは現在も人気の高いペットとなっています。

今年は「ネコノミクス」といわれるほど猫が人気で、ペットブームは続いているようです。飼われている犬や猫は約2000万匹。ペットを家族として暮らしている飼い主さんがいる反面、人知れず殺処分されるペットも少なくありません。環境省の資料によると、平成25年度(2013年)の殺処分数(犬・猫)は約14万匹(収容中の病死・自然死を含む)だそうです。その原因のひとつは、飼い主の認識の甘さ。「犬がこんなに吠えるとは知らなかった」「グルーミングが面倒」「海外旅行に行けなくなる」などをはじめ、中には「流行の犬(猫)種を飼いたいので、今のペットはいらない」「年齢を取ったから介護が面倒」といった、とんでもない理由で保健所に連れていく人もいるといいます。

ペットを飼うということは、その命も預かるということです。「可愛いから」「流行っているから」だけでなく、最後を看取ってあげる覚悟を持ってお迎えしてあげてください。







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