不動産取引のスペシャリスト 宅建士の仕事



住まいの売買や賃貸を行う際に必ず登場する宅建士。不動産取引のスペシャリストとして一般の人々をサポートします。今回は宅建士の業務の概要をご紹介します。



宅地建物取引士とは


宅建士とは正式には宅地建物取引士といいます。土地や建物の売買や賃借といった不動産の取引について、売主や買主、借主や貸主の保護と円滑な不動産流通のために公正・中立な立場で法実務を扱う専門家です。宅地建物取引業者(一般的にいう不動産屋さん)は、事務所ごとにそこで働く従業員の5人に1人以上の割合で専任のこの宅建士を置く必要があります。これを宅地建物取引士の設置義務といいます。つまり宅建士は不動産会社・不動産取引において必須の存在なのです。

宅地建物取引士は昭和33年に旧建設省によって創設された資格で、当初は宅地建物取引員と呼ばれ、昭和40年の法改正により「宅地建物取引主任者」になりました。一般的にはこの名称(略して宅建主任者)が今でもなじみがあると思います。そして、今年平成25年4月に、業務知識や能力の向上、信用失墜行為の禁止などの義務が追加された法改正に伴い、名称も「宅地建物取引士」となりました。名称は変りましたが、基本的な業務内容には変更ありません。



宅建士のみに許される仕事とは?


・重要事項の説明
住まいの売買や賃貸は、取引される金額も高く、法的にも複雑な内容になります。そのため不動産取引を扱う不動産会社は、専門の知識を持った宅建士にその業務にあたらせ、売買や賃貸の当事者が思わぬ損害を被ることを防がなければなりません。そのため宅建士にしかできない業務があります。

宅建士は契約の締結前に、取引の相手方に対して対象となる物件と契約内容の重要事項を記載した書面を交付して説明を行わなければなりません。これを重要事項の説明といい、宅建士しかできない業務の中でも特に大切なものです。この際に取り交わされる書面は宅地建物取引業法の35条に規定されていることから、一般に35条書面と呼ばれています。重要事項とは誰が所有者であるか、対象となる不動産の所在や広さといった基本的なことから、登記やキャンセルした際の取り決めなど法的な事柄や設備面まで、その不動産の価値を形成するさまざまな要因を網羅します。そういった項目をただ棒読みするだけでは重要事項を説明したとはいえず、相手が正しく理解できるよう説明するのが宅建士としての資質といえます。そしてこのとき、宅地建物取引士証を提示して説明するよう規定されています。また、ポイントは契約の前に説明を行うことです。契約の前といっても、契約の直前や、契約時と同時に行われている場合もありますが、本来のあり方ではありません。契約当事者がきちんと内容を吟味し、内容によってはその契約を行わないと判断する時間的な余裕も持てるよう、前もって契約を検討している段階でこの重要事項の説明を行うのが本来の宅建士としての責務です。なお、重要事項説明の義務を果たさない場合は違法行為になります。


・重要事項の説明書面への記名・押印
重要事項を説明することは宅建士の最も大切な業務であることは前述のとおりですが、口頭で説明しただけでは不十分です。作成された重要事項説明書に記名・押印し責任の所在を明らかにし、取引の各当事者に交付してはじめてこの義務を完了します。もちろんこれは契約が成立する前までの間に行います。


・契約内容記載書への記名・押印
契約が成立したら契約書を交付します。この場合の契約書は不動産以外の取引でも通常取り交わされる契約書と同様に考えてさしつかえありませんが、宅地建物取引業法37条で規定されているため不動産業界では一般的に37条書面とも呼ばれています。この書面でも宅建士が記名・押印し、後日何らかのトラブルが生じた際に備えます。なお、この37条書面について説明義務は課されていません。また、35条書面に記名押印した宅建士と37条書面に記名押印した宅建士が異なっていても問題はありません。



宅建試験に挑戦する一般人も


宅建士になるには宅地建物取引士資格試験を受け、合格後一定の講習を受けてから宅地建物取引士証の交付を受けなければなりません。既に見たように不動産の取引は金額が高額で権利関係や法的根拠が複雑です。そのため不動産業界に従事していなくても住まいの売買を検討している人が、この試験の受験勉強をして予備知識を蓄えるといったことも見受けられます。なお、不動産業界で働く人にはいわゆる「5問免除」という制度があります。これは宅建業に従事している人が国土交通省の登録を受けた機関で一定の講習を受けると、全50問のうち、5問が免除されるものです。合格基準は一般のそれより5点引き下げられますが、試験時間は一般受験者より10分短い1時間50分とするユニークな制度です。


不動産取引の中でも特に住まいの購入は一生のうち最大の買い物といわれます。いろいろと不慣れなこともあり不安に感じることも少なくありません。まずしっかり基礎を身に着けるために、不動産業界に従事されていない方も宅建士試験にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。





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