老後の不安の救世主?リバース・モーゲージ



今回は“豊かなセカンドライフ”実現のために、最近注目されるようになったリバース・モーゲージについて取りあげたいと思います。



リバース・モーゲージとは


急速な高齢化が進み、年金や福祉、医療について高齢者の不安が高まるなか、経済的な支援の方法として、リバース・モーゲージが国をはじめとした公 的機関や民間の金融機関、ハウスメーカーで取り組まれるようになりました。
リバース・モーゲージ(Reverse mortgage)とは「持家担保融資」といい、高齢者が住んでいる住宅や土地などの不動産を担保とし、そこに住み続けながら年金の形(一括の場合も有 り)で定期的に資金の融資を受けるものです。そして利用者の死亡や転居、相続などによって契約が終了した時に担保不動産を売却して、元利金を一括 で返済する仕組みとなっています。また、毎月利息のみ返済したり、手元資金や相続人による一括返済をしたりするということも行われています。

普通の住宅ローンでは、借入残高は返済に伴って段々減少していくのに対し、リバース・モーゲージでは生活が進むにつれ借入残高が増加していくこと になります。そのため、リバース(逆の)モーゲージ(抵当融資)と呼ばれます。

自宅など不動産は保有していても、金融資産や年金などの現金収入が少なく、健康面など将来的な不安のある高齢者が、自宅を手放すことなく、その自 宅を担保にして毎月の生活資金を受け取ることができるので、高齢者にとってはメリットの多い制度といえるでしょう。

リバース・モーゲージが活用され始めた背景には、収入が減少する65歳以上の高齢者世帯主の8割が持ち家を保有し、その8割近くの住宅・宅地評価 額が1,000万円超といわれ、経済の活性化のためにも、高齢者の消費を拡大する必要に迫られているという背景もあるとわれています。

そのため官民あげての取り組みがなされていますが、公的機関の場合、基本的に福祉目的で生活上の資力が低い高齢者に活用してもらうよう設計されて いるため、融資額などの条件が比較的限定的となっています。

参考までに、千葉県の場合(不動産担保型生活資金)の融資条件を見てみましょう。


【不動産担保型生活資金(千葉県社会福祉協議会HPより)】
一定の居住用不動産を有し、将来にわたりその住居に住み続けることを希望する高齢者世帯に対し、当該不動産を担保として毎月の生活費の貸付を行う 貸付金です。

(1) 不動産担保型生活資金
 次の①〜⑤のいずれの要件にも該当している世帯を対象とします。
①資金の貸付を受けようとする者が単独で所有している不動産に居住していること。ただし、同居の配偶者と不動産を共有している場合については、同 居の配偶者が連帯借受人となる場合に限り、共有でも対象とすることができます。
②居住している不動産に賃借権等の利用権及び抵当権等の担保権が設定されていないこと。
③借入申込者以外の同居人として配偶者または双方の親以外同居していないこと。
④世帯の構成員が原則として65歳以上であること。
⑤世帯の収入が市町村民税非課税程度の低所得世帯であること。

(2) 要保護世帯向け不動産担保型生活資金
 次の①〜⑤のいずれの要件にも該当している世帯を対象とします。
①資金の貸付を受けようとする者が単独で所有している不動産に居住していること。ただし、同居の配偶者と不動産を共有している場合については、同居の配偶者が連帯借受人となる場合に限り、共有でも対象とすることができます。
②居住している不動産に賃借権等の利用権及び抵当権等の担保権が設定されていないこと。
③借入申込者及び配偶者が原則として65歳以上であること。
④本制度を利用しなければ、生活保護を要する世帯であると居住地を管轄する福祉事務所が認めた世帯であること。

以上は公的機関(千葉県の場合)の例ですが、民間金融機関などではビジネスチャンスととらえ、遺言信託などの相続ビジネスの一環として取り組まれています。



リバース・モーゲージの課題


注目されるようになったリバース・モーゲージですが、この商品の制度上特有の課題があります。それは「担保割れ」です。大きな要因は3つあります。

一つ目は不動産価格低下リスクです。これは担保とした不動産価格が予想に反して下落し、契約終了時前に担保割れが生じてしまうことです。
二つ目は金利上昇リスクで、借入期間中に金利が上昇して利息込みの借入元利金が増加し、当初の予定より早くに担保額に達してしまう状態です。
そして三つ目は長生きリスク。これは融資を受けた人が予想より長生きすることで存命中に借入残高が不動産評価額に達してしまい、融資がストップしてしまうことです。

また、現在は多くの担保物件は一戸建てが対象となっており、融資限度額も土地評価額の50%〜70%としている場合が多く、区分所有(マンショ ン)や担保評価の低い地域の物件は融資の対象外とされるケースが多いことも課題のひとつです。
さらに、リバース・モーゲージならではの仕組みも要因となって、相続時に親族間の間でもめごととなってしまう“争続”問題にいたる場合もあるよう です。そのため契約に際しては推定相続人の同意が必要とされています。


このようにいくつか克服すべき課題もありますが、今後の高齢者の生活支援のためにリバース・モーゲージはひとつの重要な選択肢となることが予想されます。豊かなセカンドライフの観点からも参考になさってください。









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