家探しで見落としがちな「周囲のペット環境」



賃貸でも持ち家でも、家探しをする際は、外観や間取り、インフラや周辺情報(交通アクセス、治安、商業施設の有無など)を入念にチェックすると思います。様ざまな条件をクリアして、やっと見つけた念願の新居。ところが意外なトラブルで、新しい生活が台無しになってしまうことがあるようです。

その原因のひとつが「野良猫」。「せっかく育てた花木や作物(庭や農園)を荒らされた」「建物で爪とぎをしていた」といった苦情は多く、対応に困っているといいます。

そこで今回は、野良猫や野良犬の対処法を中心に、動物にかんする周辺環境チェックについて調べてみました。



丹精込めた庭が野良猫の住処に!?


マイホームを手に入れ、念願のガーデニングを始めたのはいいが、花や作物が踏み荒らされるなど、どうも庭に何者かが侵入している……このようなことが続くと、「泥棒が入ろうとした?」「夜中に不審人物が徘徊している?」と不安に感じることも。知り合いの方も同じような状況に遭遇し、いろいろ相談したようです。

間もなく原因は判明しました。なんと侵入者の正体は「野良猫」。庭を荒らすだけでなく、庭に糞尿をする、ゴミを漁って散らかす(餌を探す)といったこともしていたそうです。野良猫による弊害には、他にも「鳴き声がうるさい」「飼っていた金魚や小鳥を獲られた」「庭で子供を産み、そのまま放置された」などがあり、また動物アレルギーを持つ人は健康被害が心配といいます。

土や砂が柔らかくて(気持ちよくトイレができる)適度な緑があり、餌を近くで探せる庭や畑は、野良猫にとって最高の環境。さらに犬を飼っておらず、人の出入りが少なければ、住み着いてしまうことも少なくありません。さらに猫は多産ですので、あっという間に数が増えてしまいます。

野良猫が増加すれば、快適な生活に支障をきたします。「猫好きだから、このまま自分が飼ってもいい」とでも思わない限り放置はせず、きちんと対処するのが賢明です。



東京都内だけで10万頭。野良猫は身近なところに潜んでいる


普段目にしている猫は「イエネコ」で、ヨーロッパヤマネコの1亜種「リビアネコ」を飼いならし、穀物や書物をネズミの食害から守るために家畜化されたといわれています。古代エジプト時代には、すでに飼われていたという記録があり、日本へは、奈良時代(和銅3年 (710年) ~延暦13 年(794年))に中国から渡来したようです。現在ではネズミ退治用としてではなく、ペットとして飼われることが多くなっています。2020年の飼育頭数は964万4千頭(ちなみに犬は848万9千頭)。この数字は、日本第二位である神奈川県の人口912万6千人(総務省統計局「統計でみる市区町村のすがた2019」)より多く、総人口から見ると約12人にひとりが猫を飼っている計算になります。

飼い主と共に暮らす猫がこれだけいる反面、人に飼われていない、いわゆる「野良猫」も日本全国に生息しています。たとえば、東京都の平成29年(2017年)度調査(東京都における犬及び猫の飼育実態調査の概要・東京都福祉保健局)によると、都内には約10万頭の野良猫がいると推定また同調査を見ると、行政に対する要望として「飼い主のいない猫に関すること」が127件寄せられています(ただし、苦情かどうかは記載なし)。また、船橋市の平成26年(2014年)度調査(平成27年(2015年)発表)を見ると、市内の野良猫数は推定5500頭。猫に対する苦情が201件届けられています。

野良猫の苦情が減らない一方で、野良犬(野犬)はかなり少なくなっています。その大きな理由は、「狂犬病予防」にあります。狂犬病(恐水病ともいう)とは人畜共通の感染症で、病原体は狂犬病ウイルス。犬やオオカミ、キツネによる咬み傷などから発症し、いったん発病すると中枢神経が侵され、数日間で死亡する恐ろしい病気です。そのため、日本で犬を飼う場合は登録や予防接種、リード着用が必須。保健所でも、積極的に野良犬保護を行っているので、野良犬は減少しているわけです。



年2回、1回に4~5匹出産。繁殖力の強さも野良猫化の要因


犬とは異なり、猫には登録や予防接種の義務といった法律が定められていません。そのため、猫を飼うきっかけとして、「拾った」「いつの間にか居ついた」との答えが多くなっています。近年は室内飼育が推奨され、不妊手術や去勢手術も呼びかけられていますが、強制力がないので行わない飼い主も。このような猫を放し飼いにすることが、野良猫を増やしているのです。

加えて猫は繁殖力の強い動物で、妊娠期間は約2ヶ月。一度の出産で平均5頭(4~8頭)の子猫を産みます。さらに約2ヶ月後、子猫が離乳すると次の妊娠ができるため、猫は1年で2回の出産が可能なのです。子猫も生後6ヶ月前後で生殖期を迎えるので、春先に生まれた子猫は同じ年の秋には出産可能。つまりメス猫の親子が居れば、平均出産数5頭から、一年で単純に15頭の子猫が増える計算になります。このように繁殖サイクルが速く、多産な動物であることから、野良猫はなかなか減らないのです。

家の近くで野良猫を一匹確認したら、数匹の猫がいると考えられます。次回は庭やごみ箱にいたずらされる前の対処法をご紹介していこうと思います。








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