ペットを迎えるために知っておきたいこと、用意しておきたいもの 実践編



前回ご紹介したように、折からのペットブームに加え、外出規制がペット飼育に関心を抱くきっかけになったことから、特に犬や猫のお迎え希望者が増えています。ただ、飼育に関しては条件が厳しくなっており、かつてのように犬は庭(室外)で飼う、猫は放し飼いすることは難しくなっているようです。そのため、犬や猫を飼う際には、飼育の条件を知り、それに合わせた準備をしなくてはなりません。



「サザエさん」や「しんちゃん」一家のような飼い方はできない?


アニメ(漫画)や小説には、犬や猫が登場する作品がたくさんあります。国民的アニメ「サザエさん」一家の飼い猫タマは放し飼い、「クレヨンしんちゃん」の野原一家で飼われている犬のシロは、リードなしで駆け回っていますが、特に違和感を覚えることはないでしょう。ただ、このような飼い方が、実は周囲に迷惑をかけているのです。たとえば犬の場合、近隣に恐怖心を与えたり、フン害や交通事故の原因になるため、多くの都道府県条例で放し飼いは禁止とされています。散歩をする時は、リードをつけなくてはなりません。加えて、犬を飼う時には、登録申請(生涯1回)、狂犬病予防注射(毎年1回)を行い、鑑札・狂犬病予防注射済票を必ずつけることが義務となっています。

一方の猫ですが、こちらは犬のような登録制度、リードを付けるといった係留義務もないため、基本的には屋外飼育でも問題ありません。ただ、条例などで明確に禁止されていない、条例や規則、要綱を定めていても、自治体によって内容が異なる(他人への迷惑防止に努める、不妊去勢の推進など)せいか、磯野家のタマのような放し飼いも多く、それによるご近所トラブルが多数報告されているのです。



猫の室内飼育が推奨されている理由


本来、登録もリードもいらず、放し飼いにしても構わないはずの猫ですが、近年は室内飼育が推奨されています。その理由のひとつが、先述した「近隣トラブル」を避けるためです。猫を放し飼いにすることにより、周辺住民に次のような害を及ぼすことがあります。

〇猫による主な被害・迷惑
・鳴き声がうるさい(主に夜間や発情期)
・庭に糞尿をしていくので困る
・庭の花木を荒らされた(花や家庭園芸など)
・餌を探して、ゴミを散らかされた
・金魚や小鳥を獲られた
・動物アレルギーがあるので心配
・庭やベランダほか、敷地内で子供を産んだ(そのまま放置された)

〇稀少動物捕食による生態影響のおそれ
・沖縄のヤンバルクイナといった稀少動物を、放し飼い猫や野良猫が捕食することで、生態系に影響が出る。

猫の被害にあっている人にしてみれば、飼い猫も野良猫も同じ。できれば追い払いたいと思うでしょうが、「狂犬病予防法」に基づき捕獲可能な野良犬と違い、猫をはじめとする愛玩動物は「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下「動物愛護法」)で捕獲などの行為が禁止されています。さらに虐待や殺害が認められた場合は罰則(遺棄・虐待した場合100万円以下の罰金、殺傷した場合2年以下の懲役または200万円以下の罰金)を受けてしまうため、駆除しにくい状況にあるのです。

だからといって、放し飼いにしていいというわけではありません。また放し飼いには「いじめられたり、誘拐されたりする危険性がある」「交通事故に遭いやすい」「野良猫から感染症などの病気をもらいやすい」「避妊していないと、望まない妊娠をしてしまう」「家に戻らず野良化する可能性がある」といったリスクが伴います。このようなことから、特に猫にかんしては「室内飼育」がすすめられているのです。



「完全室内飼育」のできる状態を作っておく


かつて「犬は屋外で飼う」というケースが多く、庭に犬小屋を設けて飼育していました。室内で飼う犬は「お座敷犬」と呼ばれ、ほとんどがチワワやスピッツといった小型犬だったのです。しかし、集合住宅で暮らす人が増えるなど住宅事情が変わったせいか、近年は中型犬から比較的大きな犬でも室内で飼うようになっています。また、一戸建ての人も、犬を知る内に入れ、一緒に生活する傾向があるようです。

加えて、ボランティアや動物愛護団体を通してペットをお迎えする時、多くが「完全室内飼育が可能であること」を条件にあげています。それを満たすために最低限必要なペット用品には、以下のようなものがあります。

〇室内犬用品
・ケージ(犬が休憩や睡眠をとるための場所。いわゆる犬小屋。天井のないものは「サークル」という)
・ベッド(人間と同じく寝る場所)
・トイレとトイレシート
・クレート(犬を持ち運ぶキャリー)
他には食器・水容器・首輪・リード・迷子札・ブラシ・遊び道具なども用意しておきます。

〇猫用グッズ
・ケージ(犬との相違点は、高いところを好むので、二階建て、三階建てもあり)
・キャリーバッグ(外出、病院などで用いる移動用バッグ)
・トイレ用品(トイレ容器とトイレ砂)
・ベッド(専用ベッドのほかに、段ボールやカゴに毛布を敷いたものでも可)
・爪とぎ器(布製、段ボール製、縄製など、さまざまなタイプがある)
犬同様、食器や水入れ、ブラシ、おもちゃも揃えておきましょう。犬と異なり、首輪は必ずしも必要ありませんが、万が一外へ出てしまった時に備えて、迷子札をつけておくと安心です。

賃貸で犬や猫を飼う場合は、お迎え準備費用のほかに、部屋を退去する際に発生する退去費用も考えておかなくてはなりません。というのも、飼育するペットによる建具類、襖、柱、床などについた傷や臭いは賃借人(借主)の負担となるからです。負担を減らすためには、床にはタイルカーペットを敷く、コルク床を使う、壁をひっかくようなら、そこに爪とぎ器を設置するといった対策が有効。とはいえ、賃貸でペットと暮らすと「普通に住むよりも修繕費用は高くなる」ことは念頭に置いておく方がよいでしょう。






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