防災で見直される雨戸の必要性 2



雨戸は日本家屋の歴史の中で誕生した「蔀戸」「遣戸」をルーツとし、時代のニーズと共に、さらに機能的に使いやすく進化しています。かつては木製のものが主流でしたが、現在は軽くて丈夫な金属系に変わっています。

また、広く普及している「引き戸タイプ」のほかに、「シャッタータイプ」「折れ戸タイプ」といった形状も登場。開閉が楽だということもあって、特にシャッタータイプを選ぶ人も増えています。

雨戸の主な役目は「防災」「防犯」「防寒・防暑」ですから、基本的にどの素材、どのタイプを選択しても問題はありません。ただ、住むエリア、建物の種類、利用する人の生活スタイル、予算などで選択肢は変わります。そこで今回は、雨戸の種類やタイプについて調べてみました。



「雨戸」はあらゆるトラブルから住む人を守る


雨戸は、その家に住む人たちを災害、暑さや寒さといったトラブルから守ってくれる建具です。イタリアやギリシャといった国をはじめ、海外でも「鎧戸(幅の狭い羽根板を斜めに並べたもので、主にドアや窓などに付けられる。ガラリ、ルーバーとも呼ばれる)」という雨戸と同じような建具を使っている国はあります。ただ、先日の台風において、日本で暮らす外国人の中には「雨戸自体がよくわからなかった」「閉め方を知らなかったので、風でガラス戸が割れてしまった」というケースもあったそうです。



雨戸の主な役割


・雨や風を防ぐ:雨風はもちろん、強風によって飛来物が窓を割ったり、家に飛び込んでくることを避ける。

・防犯対策:近年、増加している空き巣や泥棒は、窓から侵入することが多い。雨戸は窓の外に取り付けるため、開口部が窓と雨戸の二重になり、防犯性が向上する。ただ、旅行などの長期不在の際、閉めたままだと明らかに留守だと分かる点がデメリットになる。

・防寒対策:雨戸を閉めることで、冬場は外からの冷気を遮断することができる。ただ、北海道や東北などの豪雪地域では、積雪によって雨戸が開けられないケースもあるため注意が必要。

・防暑対策:雨戸を閉めると熱気を防ぐことができ、その状態でエアコンをつけると、効率よく室内を冷やすことが可能。

・防音対策:線路の近く、交通量の多い道路に面しているなど、騒音が気になる立地にある家屋の場合、雨戸で防ぐことができる。また、室内で音楽鑑賞、楽器演奏をする時、雨戸があれば、近隣に音が漏れにくい。

・遮光対策:夏の西日を防いだり、夜は室内(特に寝室)に外光が入らないようにできる。

先日の大型台風では、「今までの常識を超えた強風が吹く」という予報が出たことから、被害に備えて「窓の内側に養生テープ(ガムテープ)や段ボールを貼る」ことがすすめられました。近年は雨戸のない家屋が増えているせいか、ホームセンターや大型スーパーなどで、売り切れが続出したことは記憶に新しいと思います。台風や強風に対し、窓の補強は雨戸のあるなしにかかわらず必要です。しかし、雨戸が付いていれば、さらに被害を軽減できますから、付けていない家屋に住む人は導入を考えてみてはいかがでしょう。



雨戸をつける上で知っておきたいこと


かつては木製の引き戸が主流だった雨戸ですが、現在は様ざまなタイプの製品が用意されています。主な雨戸には、次のようなものがあります。

・引き戸タイプ:昔からあるタイプで、使用しない時には窓の横にある「戸袋」に重ねて収納する。コストは手頃。ただ、「開閉に手間がかかる」「戸袋が家の外観を損ねる」というデメリットもあり。

・折れ戸タイプ:窓の真ん中から外側に向かって両開きするタイプ。片方だけ開けることも可能。戸袋が必要ないため、外観を損ねることがない。特に洋風造りの家に適している。なお、一枚の板を用いた「単板タイプ」と、雨戸を閉めても風や光を確保できる「ルーバータイプ」といった種類がある。

・シャッタータイプ:近年普及している、店舗や車庫と同じように、上部で巻き取って収納する仕組みになっている。戸袋が不要なので家屋の外観がすっきり。手動式と電動式がある。手動式のものは、開閉の際、窓を開けなくてはならない点がデメリット。電動式は、室内からスイッチやリモコンで開け閉め可能だが、便利な分コストが高い。

なお、雨戸の素材は木製がメインでしたが、最近は、軽くて丈夫な金属系に移行しています。スチールが多いようですが、軽量なアルミ素材はさらに開閉が楽。ただ、コスト面ではスチールの方が手頃な価格になっています。

安心・安全な生活を考えて、建て売り住宅を購入、また賃貸物件を探す際、雨戸の有無や種類は必ずチェックすることをおすすめします。雨戸のなかった家屋に雨戸をつける、また雨戸のリフォームする場合、予算が許せば開閉やお手入れが容易な電動式シャッターを選ぶといいでしょう。素材はアルミニウムが最適ですが、価格が高くなることは否めません。ですから付ける開口部によって、スチールとアルミニウムを使い分けることもおすすめです。






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