台風19号での避難所体験 その1



9月の台風15号、先日の台風19号と、このところ大型の台風が猛威を振るっています。先日の19号は、多数の犠牲者や行方不明者が出る大惨事となりました。また、家屋の倒壊、浸水などで被災された方はかなりの数にのぼっています。
今回、被害が拡大したのは、10月12日より関東甲信地方を中心に降った記録的な大雨が原因です。各地で河川の氾濫、山崩れが頻発し、大量の水や土砂が道路を破壊、家屋や走行中の車を押し流したことが、死傷者の増加につながってしまったといえます。

その一方で、発生時から「今までに経験したことのない規模の台風」だということで、国や気象庁、地方自治体などでは早くから警戒を呼びかけ、避難所への早めの移動、食料品の備蓄、土嚢などの準備を促していました。実際に避難所へ足を運ばれた方も多かったのではないでしょうか。

実は知り合いもその一人で、初めて避難所へ行った時の体験を聞く機会がありました。今回は、報道でしか見たことのない避難所について紹介したいと思います。



避難準備は前日から


知り合いのAさんは河川のそばに住んでいることもあり、避難場所をチェックし、早くから避難準備をしていたといいます。台風上陸の前日には、避難用品を揃えたリュックサックを用意。当日の朝、いつでも持ち出せるよう、玄関に準備したそうです。その時、揃えたのは、主に次のようなものです(徒歩での避難でした)。

・飲み物(500ml×2)
・お菓子類(クラッカー、キャンディなど)
・ピクニックシート(ブルーシートではなく、やや厚地のもの)
・タオル(数枚)
・ウェットティッシュ
・ティッシュ
・お金
・スマートフォン用充電器
・懐中電灯
・マスク

Aさんは天気予報を参考に、とりあえず2~3日滞在することを考えて準備したそうです。

台風当日の12日、 Aさんの住む地域は、午前中すでに「警戒レベル3(高齢者や要介護者等が避難)」の警報が出ており、正午近くには、「警戒レベル4(対象地域住民の全員避難)」を呼びかけるアナウンスがありました。町内会の班長を中心に声かけが始まり、 Aさんは両親や町会の人たちと避難所へ向かったそうです。



防災情報のレベルとは


・警戒レベル1:災害への心構えを高める
災害発生の危険性はまだ低いが、最新の防災気象情報などに留意するなど、災害への心構えを高めておく
・警戒レベル2:ハザードマップなどで避難行動を確認
気象庁から「大雨注意報」や「洪水注意報」が発表され、災害発生に対する注意が高まってきた段階。ハザードマップで災害の危険性のある区域や避難場所、避難経路、避難のタイミングの再確認などを確認しておく
・警戒レベル3:高齢者や要介護者等が避難
避難に時間がかかる高齢の方や障がいのある人、避難を支援する人など安全な場所へ避難するレベル。また、土砂災害の危険性がある区域や急激な水位上昇のおそれがある河川沿いに住む人も、この段階で避難するようにしたい
・警戒レベル4:対象地域住民の全員避難
対象地域の人は全員速やかに避難。指定緊急避難場所への立退き避難はかえって命に危険を及ぼしかねないと判断する場合には、近隣の安全な場所への避難や建物内のより安全な部屋への移動等の緊急避難を行う
・警戒レベル5:” 命を守るための最善の行動を”
すでに災害が発生している状況にあるため、命を守る最善の行動をとる



避難所は小学校の体育館


Aさんや町会の人たちが避難したのは、徒歩約15分、市立小学校(Aさんの出身校)の体育館。到着後、入り口で名前を記入して中に入ると、すでに150~200人ほどの避難者がいたそうです。避難所は体育館ですので、当然床は板敷き。市からは毛布の支給があり、まずこれを床に敷いて、場所を確保しました。舞台側には、台風の様子を知らせる大型テレビを用意。周囲の人は本を読んだり、スマホやゲーム、お喋りをするなど、わりと落ち着いた様子。Aさんたちも、同じように時間を過ごすことにしました。

その後も避難者は後を絶たず、13時過ぎには300人ほどになったそうです。同じ頃、Aさんは町会の何人かと、昼食作りのボランティアを頼まれました。昼食に用意されたのは、緊急時の配給用「アルファ米( α米 )」。これは、インスタント食品などに使用される、でんぷんをアルファでんぷんとした米を水分8%以下まで熱風乾燥した保存食。調理前はパラパラですが、水やお湯を注いで時間を置くと、炊いたお米のような状態になります。

アルファ米を水で戻した避難場所もあったそうですが、Aさんの避難所では家庭科室でお湯を沸かし、それを使いました。味は「わかめご飯」と「田舎ご飯(ゴボウやキノコが入ったご飯)」の2種類。Aさんは「濃い味付けに慣らされた子どもたちには、ちょっと物足りないのでは?」と思ったといいます。しかし、給食では、たまにわかめご飯が出るようで、おいしいと食べていたそうです。

昼食を配る際には、500mlのペットボトル(水)も支給されました。


次回は避難所体験の後編として、高齢者や身体が不自由な人のケアなどについてお話しします。








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