安全な生活に役立つ「住宅性能表示制度」



これから住もうと考えている、戸建てやマンションといった集合住宅が、「どの程度の自然災害に耐えうる仕様になっているのか」「あっという間に劣化することがないか」など、知りたい情報を一般の人にわかりやすく示す制度が「住宅性能表示制度」です。この制度に基づいて、国土交通大臣に登録した第三者評価機関が、設計図書の審査や施工現場の検査を通じ、住宅の性能を公平な立場(全国共通基準)で評価して交付するのが「住宅性能評価書」で、「住宅性能評価書(設計図書の段階の評価結果)」と「建設住宅性能評価書(施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめたもの)」の2種類があります。

消費者の立場では、完成された物件の性能はなかなか確認できません。しかし、「住宅性能評価書」と「建設住宅性能評価書」があれば、外からではわかりにくかった建売やマンション(集合住宅)の性能を比較することができ、購入の目安になります。なお、住宅性能については、10の項目を等級や数値などで表示。数字が大きいほど性能が高いことを表しています(各項目により最高等級は異なる。また、もともと建築基準法で定められている性能項目については、建築基準法の水準を等級1とする)。



「住宅性能評価書」の基礎知識


「住宅性能評価書」は、設計時の図面から評価結果をまとめ、下記の10項目を評価しています。

1:構造の安全に関すること
地震などが発生した時の倒壊のしにくさや損傷の受けにくさ、また強風や大雪に対する強さに関する評価。等級1でも、大地震(震度7相当)による倒壊はまずないとされている。
2:火災時の安全
住宅で火事が発生したとき避難しやすいか、隣の住宅が火災のとき延焼しにくいかなどを評価。また外壁・床・屋根といった建材が火に強いか否か、火災報知器などの設置状況といった点も調べる。
3:劣化の軽減
年月が経っても土台や柱といった構造躯体の使用材料が、あまり傷まないようにするための対策がどの程度施されているかを評価。マンションなどの集合住宅で多く採用されている「鉄筋コンクリート造」の場合は、主に柱や梁のコンクリートがもろくならないための対策を評価する。
4:維持管理・更新への配慮
配管類は一般的に構造躯体の修繕などよりも早く交換する必要があるため、水道管やガス管、排水管といった配管類の点検・清掃のしやすさ、万一故障した場合の補修のしやすさなどを評価。また、集合住宅については、間取り変更のしやすさを踏まえて、躯体の天井高などの表示も行う。
5:温熱環境
冷房や暖房を効率よく行うために、床、壁や窓の断熱などが、どの程度されているかを評価する。
6:空気環境
建材に使われている接着剤の中に含まれる「ホルムアルデヒド」という物質は、シックハウスの原因のひとつ。そのため、建材に含まれる接着剤について評価する。また、健康に暮らすためには適切な換気が必要なので、どのような換気設備が整えられているかについてもチェック。
7:光・視環境
東西南北および、上方の5方向について、窓がどのくらいの大きさで設けられているかを評価。
8:音環境
主に共同住宅に対する評価項目で、上の住戸からの音や下の住戸への音、隣の住戸への音などについて、その伝わりにくさを評価。
9:高齢者等への配慮
高齢者や障害者が暮らしやすいよう、出入り口の段差をなくす、階段の勾配を緩くすというような配慮がどの程度行われているかを評価。
10:防犯
外部からの侵入者防止のために、開口部(ドアや窓など)に、防犯上有効な建物部品や雨戸などが設置されているか、また進入防止対策がされているかを評価。

当初は全分野の確認を行っていましたが、より普及を広めることを目的に平成27年(2015年)から、必須となるのは4分野、残りの6分野は選択に緩和されています。なお、必須項目は「構造の安定」「劣化の軽減」「維持管理・更新への配慮」「温熱環境」です。



住宅性能評価書付物件のメリットとデメリット


「住宅性能評価書付」の物件には様ざまなメリットがあります。主なものを紹介します。

・住まいの性能が等級や数値で表示されているため、消費者でもの分かりやすい。
・専門家でなくても、消費者が住宅の性能の相互比較できる。
・国土交通大臣の登録を受けた第三者機関が公平にチェックするので安心。
・万一のトラブルにも、専門機関が対応してくれる(「設計」・「建築」の両評価書を取得している場合)
・金融機関によっては、住宅ローンの優遇や保険料の割引があり、フラット35も適用可能。
・資産価値を維持しやすく、中古売却の査定を有利にできる。
・耐震等級に応じて、地震保険の割引を受けることが可能。
・ミスや手抜き工事の防止に役立つ。

デメリットとしては、性能評価の等級を上げるようとすると、建築コストが上がってしまうことです。また、住宅性能評価書があったとしても、項目すべて取得している物件ばかりではありません。ですから、消費者の側も「必須項目以外で、自分の生活に必要な評価があるかないか」などを把握しておくといいでしょう。








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