空き家対策、土地売買、建て替えに役立つ管理と解体の基礎知識





解体が必要になるのは、建て替えやリフォームだけではありません。「気に入った土地に前住人の家が残っている」「両親が老人ホームに入ったため、実家が空き家になってしまった」などの理由で、建物を壊すケースも多いのです。


土地購入する際には解体が前提になりますが、空き家の場合、「解体にはお金がかかるし、何かと面倒だからそのままにしておけばいい」「今は賃貸だが、将来は帰ってくる予定」と放置されたままの物件も多いと聞きます。


そこで今回は空き家管理、家屋の解体の様ざまなケースについて考えてみました。



2033年、日本の「空き家」は2000万戸を超える!?



最近、「普段、人が住んでいるのかいないのかわかりにくい」一軒家を目にすることが多いようです。一見すると、まだ住めそうな建物なのですが、どうも生活の匂いがしない。このような「空き家」が日本中で増えており、問題になっています。2013年の「全国の空き家数(総務省調査)」は約820万戸、なんと全住宅の7戸に1戸の割合だそうです。このままいけば、今から20年後の2033年頃に空き家は2000万戸を超え、全住宅の3戸に1戸は無人になってしまうと考えられています。


「空き家」が増え続ける原因のひとつは、やはり一軒家に住む人の高齢化だといえます。元気な時は問題ありませんが、老人ホームや病院に入らねばならない独居老人の場合、家はそのまま空き家になります。また、年齢に関係なく、「家の所有者が死亡する」「何らかの理由で住めなくなった」際、配偶者や子ども、親戚が(相続の有無にかかわらず)放置してしまうと、空き家が出来上がってしまうのです。



「空き家」の放置で発生する様ざまな問題



ひと口に「空き家」といっても、それぞれの状況は異なります。


・売却用:不動産会社が管理している販売中の空き家。
・賃貸用:主に集合住宅など、入居者募集中の空き家。不動産会社が管理する。
・二次利用:別荘など、普段の生活では利用していない空き家。所有者(管理人)などが管理。
・その他:前述した3種類以外の空き家。


ここで問題になりやすいのは、「その他」の空き家です。というのも、「売却用」「賃貸用」の物件は不動産会社が管理、二次利用だと所有者本人、または依頼された管理人などが、定期的なメンテナンスを行います。「その他」の場合も、所有者がどのような形であっても管理を行えばよいのですが、誰も住まないまま放置すると、まず家自体が傷んできます。「その他の空き家」で起きやすい問題には、下記のようなものがあります。


・ゴミの不法投棄:庭などにゴミを捨てられることが少なくない。中には、家具や自転車、布団、家電製品といった粗大ごみを投棄していくケースもある。
・雑草や樹木が伸び放題になる:庭木の手入れをしないため、雑草や樹木が成長するがままの状態になってしまう。そこに野良猫や野生動物などが住み着くことがある。また、庭木が隣家の敷地内に侵入、前面道路にはみ出ることで通行の邪魔になりやすい。
・犯罪の温床になる:空き家が犯罪者の隠れ家になることが考えられる。また、放火犯の標的になりやすい。
・災害の引き金になる:倒壊や火災の危険性が高い。破損した建材が風で飛ぶなど、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性がある。


衛生上の不安、犯罪や災害の危険など、空き家に起こり得る諸問題は、周囲の住人に不安を与えると同時に、様ざまなトラブルの引き金になりやすいといえます。放置しておけば、苦情を受けることもあるでしょう。もし、けが人などが出た場合、状況によっては賠償責任が問われることも考えられ、「自分は住んでいない」では済まされません。


そのようなリスクを回避するためにも、空き家の売却や活用(賃貸など)、そのまま維持したいなら、定期的な管理をしておくことをおすすめします。



「新築」へのこだわりが空き家を増やしている?



日本で家を購入・賃貸する場合、一軒家、集合住宅にかかわらず、「新築」であるかどうかは選択の大きなポイントになります。たとえばマンションを買う場合、同様の間取りであれば、新しい方が高いのは当然。古くなればなるほど、価格や賃貸料は安くなります。


ところが海外では、「中古物件」の方が主流という国が少なくありません。持ち家志向の調査(国土交通省「住生活総合調査」。平成25年)いよると、新築が約56%、中古住宅は約14%。国土交通省「住生活総合調査(平成26年)を見ると、住宅流通量の全体の中でも、中古住宅は約15%となっています。これがアメリカになると、中古住宅の流通量は83%、イギリスでも87%と高い数字で、新築にこだわっていないことがわかります。


特にイギリスの場合、「古い家屋(部屋)には価値がある」とされ、新築より中古の方が賃貸料も購入価格も高い物件が多々あります。中には半世紀以上経過したアパート、「幽霊が出る」と噂されるような年代物の物件も珍しくなく、売りに出されればすぐに入居者が決まってしまうそうです。


中古物件をリサイクルすれば空き家は出にくくなります。しかし、日本の場合は新築が人気で中古はなかなか売れないため、それが空き家になりやすいという傾向は否めません。


中古物件の再利用を考えることも、空き家を減らす方法だといえるでしょう。







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