「民泊新法」施行で宿泊事業の幅が広がる




ここ数年、日本各地で外国からの観光客を見かけることが多くなりました。
欧米、アジア圏をはじめ、様ざまな国の人々が日本の文化に親しみ、明光風靡な場所に足を運んでくれることは、とても喜ばしいことです。


ただ、観光客の増加に伴って、問題となっているのが「宿不足」。
2020年の東京オリンピックに向けて、日本を訪れる外国人はさらに増えるでしょう。
また国内各地からの観戦客も考える必要が生じます。


それを補うために作られたのが、ホテルや旅館などの旅館業法に基づく宿泊施設ではなく、住宅での宿泊事業を規定するための法律「民泊新法(2018年6月以降に施行予定)」です。




「民泊新法」成立の背景



近年、日本へやってくる外国人の数は増加の一途をたどっています。
JTB総合研究所の発表によると、昨年の 訪日外国人総数(1月~12月累計(YTD ))は、28,690,932人で 前年比19.3%増。
訪日外客数の内訳をみると、 中国(735万6千人、+15.4%)と韓国(714万人、+40.3%)が多く、主要20市場すべてで過去最高の訪日者数を記録しています。
このような状況から、有名観光地や首都圏ではホテルや旅館、民宿など、宿泊施設の不足が見られるようになりました。
既存の宿泊施設だけでは、来日する外国人観光客に対応しきれなくなっていたのです。


そこで、にわかに注目され始めたのが「民泊施設」でした。
しかし、日本には「旅館業法」があり、宿泊施設は厳しい規定を満たさなければ、宿泊事業を行うことができません。
そのため、中には無許可で民泊営業をする施設も現れ、問題となっていました。
そこで「民泊」という新しい宿泊業態に対応するため、新たな法規制が必要となったのです。




「民泊新法」のキホン



「民泊新法(住宅宿泊事業法)」が定義する「民泊」とは、ホテルや旅館といった既存の旅館業法に基づく宿泊施設ではなく、 「旅館業以外の人が住宅などで行う宿泊事業(ただし、宿泊行為が年間180日を越えないもの )」を指します。

民宿との違いは、 民泊が一般の住宅(空き物件や別荘などを含む)で宿泊サービスを行うことに対し、民宿は宿泊設備が整った部屋に宿泊費を設けて宿泊させるという点です。
また民宿は日数に関係なく、継続して宿泊サービスを提供しているため旅館業法の規制対象になります。
ただし、一般的な住宅であっても、宿泊費をもらって宿泊させることを目的に、寝具などを常備していれば民宿と判断され、旅館業として規制を受けます。


今回、民泊新法の対象となるのは、下記の3者です。


・住宅宿泊事業者:180日を超えない範囲で、住宅に人を宿泊させる事業者(民泊のホスト)。
都道府県知事への届出が必要。

・住宅宿泊管理業者:住宅宿泊事業者から委託を受けて、民泊の維持管理をする事業者(民泊運営代行業者)。
国土交通大臣の登録が必要。

・住宅宿泊仲介業者:民泊を運営する人と宿泊者を仲介する事業者。
観光庁長官への登録が必要。


この中でも、民泊の要となる「住宅宿泊事業者」の業務条件は以下の通りです。
届け出を行い、これらのルールを遵守できるのであれば、誰でも民泊を開業することができます。


・住宅宿泊事業を営もうとするときは、都道府県知事または保健所設置市(政令市、中核市ほか)の市長・区長などに届け出を出すことで民泊サービスを開始することができる。

・年間提供日数の上限は180日(これを越えて営業をすると旅館業法の対象。
許可がなければ罰則の対象になる)。

・地域の実情を反映する仕組みを導入(民泊による周囲の生活環境の悪化を防ぐ必要がある場合は、条例を設け、住宅宿泊事業を制限)。

・住宅宿泊事業の適正な遂行のための業務ルールを義務付け(ゲストや周辺住民に対する衛生の徹底、火災・災害への対策とその表示、外国語での利用法、交通・周辺案内の設置、宿泊者名簿の作成と備付け、近隣住民からの苦情や問い合わせへの迅速対応ほか)。

・一戸建てに加え、集合住宅の1室からでも運営は可能だが、1部屋ごとの届け出が必要(1棟全住戸で宿泊事業を行う場合も、全戸分の届け出が必要になる)
・家主不在の住宅宿泊事業者は、住宅宿泊管理業者に住宅の管理を委託する(違反を確認した場合、都道府県知事は業務停止、または業務の廃止を命じることができる。
なお、都道府県知事は、住宅宿泊事業者に係る監督を実施する)。

・管理を委託する住宅宿泊管理業者(民泊代行業者)は、国土交通大臣への登録を済ませていること。



「民泊」のためのリフォーム、リノベーション



民泊を始める際、特別なリフォームやリノベーションは必要ありません。
とはいえ、災害対策、外国語での利用法や周辺情報案内が必要になりますから、民泊に適したリフォームのニーズは増えていくと思われます。
また空き家や空き部屋を持っている人は、それを民泊に再利用することも可能です。
傷んだ箇所を修理、古い家にリノベーションを施すことで、より快適な民泊施設を提供することもできます。


施行前で、まだ手探りの部分もありますが、「民泊新法」を機に、住宅や集合住宅の再利用を考えてみてもいいでしょう。











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