間取りを見ても、部屋の大きさがわからない?



「住まい探し、住まい作りをするために、不動産会社やハウスメーカーに足を運んだ。とても熱心に説明してくれたのだけど、わからない言葉があった」という話を耳にします。特に和室のある賃貸物件、和室を作った場合、説明を受けてもイメージしにくいケースがあるようです。そこで、物件探しにおいて「覚えておくと便利な用語」を紹介してみたいと思います。



日本の長さの単位は「メートル法」ですよね?


最近の賃貸マンション、アパートは「洋室のみ」の物件が少なくありません。ただ、平面図(建物・部屋の床面から、一定高さで水平に切り、上から見た図面。部屋の形状、壁や窓、扉の位置、床面の状況、部屋自体の面積などがわかる)で部屋の面積を調べると、「○帖(畳)」「㎡(平方メートル)」「坪」など、物件サイト、不動産会社、ハウスメーカーによって表記の仕方が違うことがあります。不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約」によると、「土地の面積や建物の床面積を広告で表示する場合には、必ずメートル法によって表示すること(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第19号)」と記載されていますが、必ずしも、ひとつひとつの部屋についてメートル表記がされているわけではないようです。

「帖(畳)」「坪」を「面積を表わす用語」だとはわかっていても、それが実際何平方メートルになるのか、また○平方メートルを何帖(畳)、何坪に換算できる人は少ないと思われます。



日本の建築設計の基準は「尺貫法」


「帖(畳)」「坪」の表記が使われているのは、和室が中心の古い賃貸物件に多いようです。また、和室のあるマンションでは帖(畳)数が使われているケースも多々あります。物件全体の広さが平方メートルで表示されていても、個々の部屋の大きさが帖(畳)数や坪数表記では、家具やじゅうたんをなどのインテリアを入れる際、イメージがわきにくいものです。そこで、それぞれの広さを換算表示してみましょう。

不動産の表示に関する公正競争規約施行規則(公正取引委員会承認)によると、「住宅の居室等の、畳1枚当たりの広さは「1.62㎡」以上の広さがあるという意味で用いること」とあります。つまり「1帖(畳)=1.62㎡」ということです。ここで畳1枚の各辺はというと、「1.8m×0.9m」となっており、この数字が基準で使われているということになります。これをまとめますと、「1帖(畳)=1.8m×0.9m=1.62㎡」。なお、この「1.8m」という長さは尺に換算すると6尺(=1.82m。一尺は約30.3cm)です。6尺は「一間」とも表され、この長さは、今でも多くの建材サイズの基準に適用されています。もうひとつの「坪」ですが、一坪は2畳なので、1坪の面積は3.31mになります。帖(畳)、坪、尺、間といった単位は、中国に端を発する長さや面積、重さを表わす「尺貫法」のひとつです。日本古来の度量衡法ですが、メートル条約加入後の1891年(明治24年)、メートル法を基準として定義されました。その後はメートル法と併用されていましたが、1966年(昭和41年)、「計量法」の大幅改正により、土地建物をメートル法に統一。尺貫法の使用が禁止となっています。しかし、家屋や集合住宅の設計においては、いまだに尺を基準に行われることも少なくありません。



関東と関西では部屋の広さが違う?


「1帖(畳)=1.8m×0.9m=1.62㎡」は基準ではありますが、地域によっては大きさの違う畳が使われています(寸法はおおよそで、地方によっては違うこともあります)。

●中京間:岐阜、名古屋をはじめ、岩手、山形、福島、北陸、沖縄の一部で使われ、「三六間」とも呼ばれています。〔 1帖(畳)=910mm×1820mm 〕

●京間:「本間」「関西間」とも呼ばれ、京都を中心に主に関西方面で使われています。〔 1帖(畳)=955mm×1910mm 〕

●江戸間:東京を中心に関東地方、また東北や北海道で採用されています。「関東間」「田舎間」「五八間」とも呼ばれます。〔 1帖(畳)=880mm×1760mm 〕

●六二間:九州の一部で使われています。〔 1帖(畳)=940mm×1880mm 〕

●六一間:山陰と近畿地方の一部で利用されている大きさです。〔 1帖(畳)=925mm×1850mm 〕

●琉球畳:沖縄地方で栽培されていた、「七島イ(カヤツリグサ科)」という植物を使用した畳。〔 半畳で880mm×880mm 〕

●団地間:「公団サイズ」「五六間」とも呼ばれ、アパートやマンションといった共同住宅で使用されています。〔 1帖(畳)=850mm×1700mmが中心 〕

このように、ところ変われば畳の大きさも変わります。近年に建てられた賃貸マンションやアパートでは基準的な面積になっていると思われます。ただし、古民家や築年数の長い古い家屋を借りる場合は、畳の大きさが微妙に違うかもしれません。また、今まで住んでいたエリアから他のエリアに引っ越して家を建てる際は、畳の大きさが違うことも考えられますから、そのあたりを調べておくといいでしょう。

余談ですが、「1800mm×900mという畳の大きさを決めたのは、織田信長」という話があります。どうやら畳で鉄砲や弓矢から身を隠すには、この大きさが良かったからだそうですが、どうやら信ぴょう性は低いようです。ただ、「戦時に畳を盾代わりに使う」という発想は、新しもの好き、奇抜なアイディアで天下を獲った信長らしい感じがしますね。







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