長く生活していると、どうしても「もの」は増えていきます。最近は「SDGs（Sustainable Development Goals）」をはじめ、「サスティナブル」「エシカル」といった地球環境を守る活動を通して、無駄を減らし、不要物を再利用する動きが活発になっています。しかし、そのような傾向はあっても、手元に置いておきたいもの、必要なものは誰にでもあるかと思います。

ただ、収納スペースには限りがあります。そこで利用したいのが、「トランクルーム」「レンタル収納スペース」と呼ばれる荷物を預けられる施設です。これらは「賃貸できる収納スペース」であることは共通していますが、運営会社、仕様、契約方法などには違いがあります。


「トランクルーム」「レンタル収納スペース」は、様ざまな用途に利用できます。いざという時、役に立ちますから、今すぐに必要なくても、利用方法を知っておくといいでしょう。

荷物が増えて、収納スペースが圧迫されてしまった時の強い味方

住まいを決める場合、収納スペースの有無や大きさは大切なファクターです。洋服やバッグといったファッションに興味のある人、読書愛好家などはなおさらでしょう。最初は「これだけスペースがあればまかなえる」と思っていても、気が付いたらクローゼットや本棚はパンパン。それ以外のものもどんどん増えていき、欲しいものが買えない状況になってしまうことも多いといいます。

もう少し広い部屋に引っ越すことができればよいのですが、すぐに条件の合う物件を見つけるのは難しいことです。また、引っ越しには大きな費用がかかります。そこで考えたいのが「トランクルーム」「レンタル収納スペース」という、荷物を預けることのできる「貸スペース」。手頃なボックスサイズから、倉庫のような広さのあるもの、バイクや自転車の収納が可能なものまで、利用者のニーズに応じて、様ざまなタイプが用意されています。

この頃は、「ものが増えたらリサイクルショップに売ればいい」という意見が主流です。とはいうものの、とにかくものを減らそうと、よく吟味しなかったため、大事な品まで手放してしまったという話も耳にします。増えた荷物を「トランクルーム」や「レンタル収納スペース」に一時的に預けることで、本当にいるものといらないものを精査することも可能です。
また、部屋にスペースが生まれ、暮らしやすくなるというメリットも期待できます。

「トランクルーム」「レンタル収納スペース」どちらを選ぶ？

一般的な賃貸スペースである「トランクルーム」「レンタル収納スペース」は、それぞれ運営会社や契約形態が異なります。顕著な違いは下記の通りです。

〇トランクルーム
・運営は倉庫業者が行っている
・事業者所有の倉庫内（保管用倉庫）
・寄託契約による保証あり

トランクルームは一般的に国土交通大臣の登録を受けた倉庫業者が運営しており、特長として安全性の高さがあげられます。預けた荷物は倉庫業者の厳しい警備のもとに管理されますから、セキュリティ面でも安心。専用の警備会社を雇っている業者も少なくないようです。もし荷物に万が一トラブルが生じたとしても、管理義務は倉庫業者にありますから、倉庫業法に基づいた補償が受けられます。

ただし、利用が倉庫業者の営業時間内に限定されていたり、荷物の出し入れにも業者の立ち合いが必要であるなど、どうしても制限は多くなります。多少の不自由はあっても、セキュリティの高いサービスを利用したい、大切な品物や貴重品を預けたいという場合は、トランクルームを選択することをおすすめします。

〇レンタル収納スペース
・不動産賃貸業者が運営
・建物内の倉庫、ビルやマンションなどの一室、野外コンテナなど
・保管責任なし（保管責任は利用者側にある）

不動産賃貸業者が運営するレンタル収納スペースは、トランクルームとは異なり、24時間利用することができます。荷物の出し入れに業者の立ち合いは必要なく、利用者の都合で荷物の出し入れできる点がメリットだといえるでしょう。サービスはあくまで「収納スペースの提供」ですから、荷物の保管責任は利用者が負います。従って、もし荷物が破損しても補償を受けられないケースが多いようです。ただ、業者によっては保険・保障に加入できることもありますので、契約する前に確認しておくといいでしょう。

レンタル収納スペースは、自分の家のクローゼットや押し入れ感覚で利用できるため、大変便利なサービスだといえます。反面、盗難や火災などによって、荷物が紛失、損傷したとしても確実な保障はないため、預けるなら身の回りのものにとどめておくのがおすめです。

なお、自宅の収納スペースが飽和状態になってしまった場合、上記のようなサービスに加え、最近は「宅配型トランクルーム」も注目されています。これは専用ボックス、段ボールなどの箱に荷物を詰め、集荷・配達してもらう、新しいスタイルのサービスです。

今回は収納スペース提供サービスの基本を調べてみました。次回は、さらに効果的に使う方法をご紹介いたします。