持ち家の相続税はいくらになる?節税するために知っておくべき知識!







家を相続したときに税金はかかるのか、節税する方法はないのか知りたくありませんか?「相続税の仕組み」や「持ち家の相続に適用される特例」などから、損をしないように気をつけるポイントを知っておきましょう。




「相続税の控除や計算方法」「節税につながる特例」「3,000万円の財産を相続したら?」「4,000万円の財産を相続したら?」「1億円の財産を相続したら?」といった財産額別の疑問にもお応えしていきます。




相続税には基礎控除がある



そもそも相続税には所得金額から差し引くことができる「基礎控除」があります。基礎控除額を上回らなければ相続税は発生しません。また相続人の人数が多いほど、基礎控除額が増えます。基礎控除の計算式は決まっていて、たとえばここでは父親が亡くなった場合の例をあげて基礎控除額を計算していきます。


◆計算式

基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人数)


計算式に当てはめて計算すると…


・3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

『母親と子供2人が相続するケース』では、4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。




・3,000万円+(600万円×4人)=5,400万円

『母親と子供3人が相続するケース』では、5,400万以下であれば、相続税はかかりません。




このように相続財産から基礎控除額を差し引いて、それでも上回るときには相続税がかかってきます。逆にいえば、基礎控除額を上回らなければ相続税はかからないのです。





相続税の節税には小規模宅地の特例を




基礎控除のつぎは、相続税を節税できる特例についてご紹介します。「小規模宅地の特例」では、土地面積が330㎡以内の住宅用の不動産に対して、80%の減税ができるという制度です。地価が高い土地に家を持っている場合でも80%も減額できます。ただしこの特例を使うためには条件に該当する必要があります。下記のどれかにあてはまればOKです。





①配偶者が相続する 

②同居する親族が相続する 

③別居で持ち家のない親族らが相続する 

 



①と②は問題ないと思います。すこしやっかいなのが、③の「別居している場合に、持ち家を持っていない親族」というところです。持ち家を持っている場合にはあてはまらなくなるため、親と別居していてマイホームを持っている場合には特例は使えません。




小規模宅地の80%の減税ができるメリッは大きいので、自宅の土地を売却して、特例を受けられる不動産へ買い換えるという方法も考えられます。また、利用していない土地を売却して別の不動産に買い替えることで節税につながることもあります。不動産投資で節税ができるといわれているのはこのあたりが関係しています。





配偶者は特別な税額減税が使える




さらに手厚いのが配偶者の税額減税です。相続税の配偶者控除といわれているものです。相続した遺産のうち「1億6,000万円」までであれば課税されません。もしも1億6,000万円を超えてしまっても法定相続分であれば課税されません。法定相続分というのは法律で定められている相続できる目安となるものです。



◆法定相続分とは…

・配偶者:遺産の1/2


・子:遺産の1/2を子供の人数で割る


・子:遺産の1/2を子供の人数で割る



◆配偶者とは…

夫や妻など、婚姻関係にある相手



配偶者の税額減税では、配偶者が相続した遺産が「1億6,000万円まで」または「法定相続分まで」の多い方の金額までは税金がかからないので節税効果が高くなります。




3,000万円の家を相続したら




3,000万円の家を相続したら、税金はいくらかかるのでしょうか?相続人の人数で基礎控除額が変わるので、仮に相続人が1人だとしても相続税がかからないのは相続財産が3,600万円を超える場合です。3,000万円の財産を1人で相続するケースでは3,600万円までは基礎控除内であることが分かります。


▼基礎控除の計算

・3,000万円+(600万円×1人)=3,600万円




4,000万円の家を相続したら




4,000万円の家を相続するケースではどうでしょうか?相続人の人数が1人の場合と2人の場合とで見ていきます。相続人が1人の場合には3,600万円を超えた部分にかかる可能性がありますが、相続人が2人になると相続財産が4,200万円を超える部分に相続税がかかる可能性があります。相続人が2人以上の場合には4,200万円までは基礎控除内であることが分かります。


▼基礎控除の計算

・3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円







1億円の家を相続したら




1億円の家を相続するケースでは、相続人が4人の場合でも基礎控除内には収まらないので相続税が発生する可能性があります。基礎控除を超える部分に相続税がいくらかかるのか、相続人が3人(母親と子供が2人)のケースで計算をしていきます。


▼相続税の計算

・1億円ー(3,000万円+600万円×3人=5,200万円

母:2,600万円

子:1,300万円

子:1,300万円 合計5,200万円

(母1/2・子1/4・子1/4)




相続税の計算をするには税率と控除額をあてはめて税額を出すことができます。


【相続税の税率と控除額】

・3,000万円以下→税率15%・50万円の控除額

・5,000万円以下→税率20%・200万円の控除額

・1億円以下→税率30%・700万円の控除額



※相続税速算表ー国税庁






母:2,600万円 ×税率15%-50万円=340万円

子:1,300万円 ×税率15%-50万円=145万円

子:1,300万円 ×税率15%-50万円=145万円 合計630万円





母:630万円×1/2=315万円

子:630万円×1/4=157.5万円

子:630万円×1/4=157.5万円



ただし、配偶者の税額減税が使える場合には、母親の315万円の相続税はかからずに0円です。(配偶者の税額減税によって1億6,000万円または法定相続分までは無税)


子供2人は、157.5万円づつ相続税がかかる計算です。


今回ご紹介した控除のほかにも、未成年者控除、障害者控除といったものもあります。もちろん計算式は異なります。家族構成や相続財産によっても節約の方法が違ってきますので有利な特例を利用できる知識を身につけておきたいものです。





特例を受けるための注意点




続いては特例を受けるための注意点です。相続税の手続きには期限があるので、期限を過ぎてしまうと特例を受けることができません。相続開始日の翌日から10ヶ月以内の手続きが必要です。「小規模宅地の特例」や「配偶者の税額減税」を受けるためには忘れずに準備しておきましょう。


また、納付が遅れてしまうと加算税や延滞税などが発生するので、どうしても間に合わない場合に、一旦、納税して払い戻してもらう方法を取る場合もあります。




不動産が相続税対策になる理由



不動産が相続税対策になるといわれているのは、現金で持っているよりも不動産の評価方法によって、相続財産の評価額を下げることができるからです。特例も活用すればメリットは大きいでしょう。賃貸に出すという対策もとれますが、不動産に関する税制は複雑で一筋縄ではいきません。


持ち家の相続税を節税ポイントのまとめ




節税効果の高い特例が使えるのが相続税です。今回ご紹介した「小規模宅地の特例」「配偶者の税額減税」はについては、税金にあまり関心がない方も覚えておくべきポイントです。


大事なのは専門家のアドバイスを受けるなどして、しっかりと理解することです。税金や不動産手続きをサポートできる信頼できるパートナー選びをしましょう。


東海住宅では譲渡税や相続税の申告をサポートしています。不動産の売却、買い替え、購入など、新築一戸建て、土地マンションからオフィスなどの事業用物件まで幅広く取り扱っております。お気軽にご相談ください。