不動産の現況渡しとは?トラブル防止のためにメリットとデメリットを詳しく解説







「中古不動産を売却するときにはリフォームをした方がいいの?」「現況で引き渡す場合のメリットとデメリットを知っておきたい」など、不動産の現況渡しについてのお悩みや疑問をお持ちの方は多いものです。



そこで今回は、不動産をどのようにして売るのがよいのかと疑問をお持ちの方に現況渡しのメリットとデメリットを売主、買主の目線で詳しくご紹介します。




不動産取引の現況渡しとは?



現況渡しとは、「取引する物件をリフォームなどせずに、そのままの状態のままで引き渡すこと」です。



中古不動産の取引では現況渡しとするケースが少なくないのですが、売主側はリフォームや修理をせずに買主側に引き渡すことになるので、どちらもメリット、デメリットをチェックしておく必要があります。



現状渡しのメリット




現況渡しには以下のようなメリットがあります。



◆売主
・リフォームや修繕にかかる手間や費用がかからない
・早期に売却することができる



◆買主
・安く購入できる可能性がある
・リフォームの自由度が高くなる



不動産の引き渡しにあたり修繕などの手間がなく、早期に売りに出すことができるのが売主側のメリットです。買主側はその分安く購入できる可能性があります。最初からリフォーム前提で購入する方もいるので、リフォームの自由度が高くなるということも買主側のメリットになります。



現況渡しのデメリット




現況渡しには以下のようなデメリットがあります。



◆売主
・契約不適合責任を問われる可能性がある



◆買主
・設備が故障している場合には手直しが必要になることがある
現況渡しは、そのままの状態で不動産を引き渡すので、契約書類などに記載されていない不具合が見つかった場合は後でトラブルになることがあります。修繕をせずに売却をすることが「現況渡し」なので、仕方のないことだと考えると思いますが、売主側は契約不適合責任を問われないようにする必要があります。故障により設備などが利用できない場合や不具合が生じた際には買主側は修理や確認の手間が発生します。



◎ポイント


売主側:物件についての告知義務や契約不適合責任などを回避するためには、何をどこまで伝えなければいけないのかを事前に不動産会社に相談しておくことが大切です。しっかりと告知をすべきことや線引きが難しい部分もあります。



買主側:後々のトラブルを防ぐため、購入前に不動産会社に契約関係のアドバイスをもらうようにします。



契約不適合責任とは




契約内容に相違があった場合に売主側が負う責任を契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)といいます。2020年の改正民法の施行により従来の「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に改められました。



これにより引き渡した不動産が契約内容に適合しない場合には、引き渡し後に修理などを請求できるようになりました。具体的には5つの請求ができます。



5つの請求方法
・追完請求
・代金減額請求
・催告解除
・無催告解除
・損害賠償



(追完請求)


追完請求とは「修理をしてくださいと請求すること」です。



(代金減額請求)
代金減額請求とは「修理を請求しても修理をしない場合に減額をするよう請求をすること」です。



(催告解除)


催告解除とは「修理を請求しても応じない場合に契約解除をすること」です。



(無催告解除)
無催告解除とは「契約の目的が達成できないと考えられる場合に契約解除をすること」です。催告解除とは異なり催告をすることなく、直ちに契約解除ができるものです。



(損害賠償)


契約不適合責任の損害賠償責任とは「故意や過失がある場合に負う責任のこと」です。売主側に故意や過失がない場合、買主側は損害賠償請求できません。



現況渡しでトラブルを防止するには




同じ物件は二つとないといわれているのが不動産です。そのため物件によって気をつけるべきポイントが異なります。



特に売主側は契約不適合責任により、契約内容と違っている場合に責任を負わなければならくなりました。契約書類などに明文化されているかどうかがポイントで、基本的には設備などを契約不適合責任の対象外とする特約を設定することが一般的です。しかし、売主側には引き渡しまでの間に善管注意義務という義務が課せられ、必ずしも契約不適合責任を問われないということにはなりません。



また、契約不適合責任が免責となるケースとしては、不動産会社が物件を購入する取引やインスペクションなどがあります。不動産会社が買取を行なっている場合やインスペクションという建物状況調査を行うことで検査結果を告知することが可能です。



このように現況渡しでは売主側にも買主側にもメリットがある反面、トラブル発生のリスクも高いので、不動産会社に事前に相談しておくことをオススメします。



東海住宅で不動産取引




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