引越し費用どのくらいかかる? 要不要の見極めで節約は可能







転勤(転職)や進学はもちろん、結婚や住み替えなどきっかけはさまざまですが、どのケースにおいても引越しにはお金がかかります。「敷金・礼金」はもとより、引越し業者への依頼、時には家具や家電を買い替える必要も出てくるため、いつの間にか予算が膨らんでいることも少なくありません。さらに食器や日用品といった生活必需品も、買い揃えていくと結構な負担になります。
とはいえ、これからの生活もありますから引越し費用は少しでも節約したいもの。



そこで今回は、引越し費用について考えてみました。




引越し時に必要な家具家電・その他費用の洗い出し



引越しには、どうしてもまとまったお金がかかります。特に「初めて一人暮らしをする人」「結婚して新居に住む人」は、何もないところからスタートするため、出費が多くなることは否めません。住み替えの場合は今まで使っていた家財をそのまま使うことで新規購入は必要なし(ただし、壊れていたり古くなっていたりするものは買い替えがおすすめ)。また、引越し業者を頼まず、自分で、または家族や友人で荷物を運べば、さらなる節約につながるでしょう。

無駄のない引越しをするには、「初めて」「2回目以上」どちらにしても、必要だと思われるものを書き出して、リストを作るのがおすすめです。一般的に、引越し時の購入品には、次のようなものがあります。



◇引越しで購入が考えられる主な家具
◎寝具:ベッド、マットレス、布団セット(掛け布団・敷布団・シーツ・まくら・まくらカバー・掛け布団カバー・敷布団カバーなど)ほか

◎インテリア:ソファ、テーブル、ダイニングテーブルセット、絨毯、カーテンほか

◎収納:たんす、クローゼット、本棚ほか

◎その他:リモートワーク用の机、椅子ほか



◇引越しで購入が考えられる主な家電

◎家事用家電:冷蔵庫、洗濯機、掃除機ほか

◎調理家電:炊飯器、電子レンジ、オーブントースター、食器洗浄機、ホットプレートほか

◎冷暖房・空調家電:エアコン、扇風機、ストーブ、ヒーター、加湿器・除湿機、空気清浄機ほか

◎AV家電:テレビ、大型モニター、音響機器ほか

◎IT家電:パソコン、タブレットほか

◎照明:照明器具全般


たとえば初めてひとり暮らしをする人の場合、ガスコンロ・水道は作り付けと仮定すると、最低限必要な家財道具は、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、炊飯器、掃除機、エアコン、テーブル、寝具、カーテンなどです。自炊をしないのであれば炊飯器は必要ないかもしれません。エアコンは完備されているところも少なくないようですから、部屋探しの際にチェックしておくといいでしょう。

逆になくても我慢できるものは、食洗器やオーブントースターなどの調理家電、「エアコンだけあれば大丈夫」と妥協できるなら扇風機やヒーターも不要です。加湿器や除湿機、空気清浄機は環境や体調に応じて購入します。かつては生活必需品だったテレビですが、パソコンやタブレット、スマートフォンで動画を見るというのであれば必要ないでしょう。


これらをすべて購入すると、おおよそ15~20万円は必要になるといわれています。ただ近年は、大手家電量販店やホームセンターなどで「ひとり暮らし用家電セット」が発売され、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、掃除機がセットで約5万円というお得なセットもありますから、家電はまとめ買いがおすすめだと言えそうです。


なお、結婚における新生活に必要な費用ですが、結婚雑誌を手掛ける大手マーケティング会社の調査によると、ブライダルインテリア・家具、家電製品購入金額の平均は59.0万円。個別にみると、インテリア・家具の平均購入金額は31.5万円、家電製品の平均は37.8万円となり、当然ですが、ひとり暮らしと比較すると高額になります(参考資料:新婚生活実態調査2020(リクルートブライダル総研調べ)より)。



家財は少しずつ揃えるのがコツ




以上は平均的な金額ですから、要不要を見極め、工夫をすることで節約は可能です。
まず、引越し先に必要だと思われるものをおおまかにピックアップし、それぞれ精査していくと、無駄を省くことができます。意外にも忘れがちなのは、部屋の大きさや間取りです。家具でも家電でも、色やデザイン、家電なら機能などに、誰もがこだわりを持っているかと思います。しかしそのような観点だけで選んでしまうと、配置やサイズで問題が発生することが少なくありません。後から収納や置き場所に困らないように、特にひとり暮らしに多いワンルームの場合、最初から全部購入せず、大きさに注意し、必要最小限の家具・家電を準備するのがいいでしょう。


また、生活をしているうちに、後回しにしていた家財が必要なかったと気付くこともあります。ですから、最初に全部揃えるより、家具や家電は買い足すようにするのがおすすめです。




敷金・礼金、退去費用など引越しにかかる基本的な費用も忘れずに




最初に書きましたが、引越しには家財購入だけでなく、「敷金・礼金」「引越し業者への支払い」といった費用がかかります。さらに賃貸に住んでいた人には、「原状回復」が発生するかも知れません。「原状回復」とは、賃貸を出る時、入居人の過失(例:たばこの火で畳を焼いてしまったなど)で瑕疵が生じた場合、その箇所を修復することをいいます(ただし、通常の使用及び収益によって生じた損耗、賃借物の経年変化は除く)。原状回復は、通常、敷金(保証金)で賄いますが、敷金のない物件の場合は、クリーニング代として退去時に請求されることがあります。


引越しの際には、ざっとこのような費用が生じます。目ぼしい物件を見つけたら、ある程度余裕を持ったスケジュールで動くようにしましょう。特に初めて引越しをする場合、わからないことは不動産会社に相談するのもおすすめです。