~引っ越しも独立開業したい人も注目~「withコロナ」時代は、物件探しのチャンス?







新型コロナウイルスの新規陽性者は、今年(2021年)9月を境に減少を続け、11月後半には、1週間の平均陽性者数が100人以下の日も珍しくない状況です。ただ、新変異株の発見に加え、研究者や識者が「第6波」の到来を予測しているため、今冬も引き続き注意が必要だといえるでしょう。まだしばらくは、マスク着用など、制約のある「withコロナ」生活を余儀なくされそうですが、この状況下だからこそのメリットが期待できることもあります。


そのひとつが「物件探し」です。

コロナによって、人びとの生活だけでなく、不動産を取り巻く状況も変わっており、物件を探す人にとって有利なケースも増えているといいます。そこで今回は、「withコロナ時代」における、物件探しのメリットについて調べてみました。





「独立(新規)開業」希望者には、千載一遇の好機到来?



2019年、新型コロナウイルス感染症が発生してから約2年が経過しました。最近は落ち着きつつあるとはいえ、未だにコロナ感染を予防しながらの生活は続いています。中には結婚や転職、独立の延期を余儀なくされ、「コロナのせいで生活設計が狂った」という人も少なくありません。不動産関連も例外ではなく、マイホーム購入や引っ越し、店舗開業の先延ばしはもちろん、最悪あきらめざるを得ない状況に追い込まれるケースも少なくないようです。

しかし、その反面、自分のお店を持ち、開業に成功した人、理想の住まいを見つけた人の話も聞こえてきます。コロナ禍の中、店をたたむ人、新居探しを諦めるケースも多いというのに、どうしてチャンスをつかむことができたのでしょうか。

まず、独立開業する場合についてですが、コロナ感染予防の影響による営業自粛で、飲食店に代表される各業種の個人店や中小企業は、経営をあきらめるケースが増加。また後継者のいない高齢オーナーが店舗廃業することもあり、市場には多数の「居抜き物件(店舗や工場ほか、調理設備や椅子、テーブルなどの家具をはじめ、前テナントの設備や家具・什器などを残したまま、売買・賃貸される物件。なお、建物の躯体だけの状態はスケルトンと呼ぶ)」が出回っているからです。さらに、不動産所有者は、いつまでもテナントを遊ばせておくわけにいきませんから、通常であれば好立地、人気物件であっても賃料は下がっています。つまり、「掘り出し物件」がたくさんでてきているのです。加えてコロナの影響で、平時に比較して、融資の審査が通りやすくなっている傾向にあります。そのため、開業希望者には独立のチャンス到来と考えられます。





イメージやコンセプトが決まったら、不動産会社に相談



初めて開業する場合は、「居抜き物件」がおすすめです。最近は居抜き物件の専門会社もあるようですが、通常は一般的な不動産会社で探すことができます。物件探しにあたっては、たとえば飲食店なら、メニューの種類や内装、客層など、これから自分が作りたいお店のイメージやコンセプトを明確にしておきます。希望する条件は「事業計画書」のような形にまとめておくのもいいでしょう。

内容が決まったら、いくつかの不動産会社に足を運び、物件探しが始まります。条件に合った物件が見つかれば、先方から連絡が入りますが、物件情報サイトなども並行してチェックすると選択の幅が広がります。気になる物件があったら、不動産会社に内見できるかを問い合わせましょう。すでに内装工事会社が決まっているなら同行してもらうことをおすすめします。




「新型コロナウイルス感染予防設備物件」が増えている




新型コロナ感染予防として「緊急事態宣言」が出され、人びとの生活は大きく変わりました。たとえば「外出自粛」によって「在宅ワーク」をする人が増え、大学をはじめとする教育機関では「リモート授業」が行われているため、インターネット接続環境、特に安定した通信速度が必要なことから「Wi-Fi環境」が求められています。

そのような状況下で、「無料Wi-Fi設備」を導入する賃貸物件が増加しています。通常、Wi-Fiを利用する際は、個人で契約する必要があります。しかし、物件に設備があれば、入居次第Wi-Fi環境を利用できて、とても便利です。

また、コロナの影響でネットショッピングをする人も多いことから、宅配の需要が増加しています。ここで必要になるのが「宅配ボックス」。在宅ワーク中心の人であれば、配達に対応できますが、通勤・通学する人の場合、昼間は宅配便が受け取れないことも少なくないようです。さらに1日何回も届くケースもあり、外出が制限されてしまうこと、宅配業者から直接荷物を受け取ることを避けたい人もいるため、宅配ボックスを設ける物件も珍しくありません。

もともとは「新型コロナ感染予防」から生まれた設備ですが、これらはコロナが終息した後も入居者のメリットになります。付加価値のついた物件を手に入れるなら、今が好機といえますから、不動産会社に相談する時は、条件に加えておくといいでしょう。