気軽な自撮りが原因? SNSから特定される「あなたの自宅情報」



新型コロナウイルスの感染者が問題になっている一方で、緊急事態宣言などによる自粛要請から雇用が減少し、職を失う人が増えています。収入が途絶えてしまい、お金がらみの犯罪に手を染めてしまったというニュースも。このような状況から、感染予防に加え、より強固なセキュリティ対策が呼び掛けられているのは残念ですが、やはり身は守らなければなりません。

先日、空き巣や忍び込みといった窃盗犯に対する防犯対策記事の中で、「窃盗犯は、下見などをして綿密な計画を立てている」「狙われやすい家(部屋)がある」例をいくつかご紹介したかと思います。ただ、これらの条件とは別に、彼らがターゲットを選ぶ際に利用するものがあるのです。

それは、ツイッター、インスタグラムといった「SNS」。

SNSは、誰もが気軽に情報発信できるコミュニケーション・ツールですが、そこには発信者の個人情報が意外と詰まっています。軽い気持ちでアップした写真から、たとえばその人の家族構成、生活レベル、現在位置などを読み取ることができるのです。

そこで今回は、犯罪に巻き込まれないためのSNS利用を考えてみました。

もう一度おさらい。「SNS」の基礎知識


日頃からスマートフォンやパソコンを利用しているなら、ほとんど人が何らかの「SNS」を登録しているかと思います。近年は、アイドルやタレント、料理研究家をはじめ、投稿がバズればいきなり「有名人」になれる可能性もあるせいか、熱心に動画や写真をアップする人も多いようです。その代表的なケースが、世界的な動画サイト「YouTube」で活躍する「YouTuber(ユーチューバー)」でしょう。超人気YouTuberともなると、その年収は億超えですから、「子どものなりたい職業アンケート」で1位になるのもうなづけます。また、インスタグラムで人気インスタグラマーになり、ユーチューバー同様、インフルエンサー(情報発信で世間に大きな影響を与える人物)として、世に出る人もいます。

とはいえ、SNSで有名になるのは、ほんのひと握り。大体は、それぞれの機能を用いて、コミュニケーション楽しむのが主流です。ここで各種SNSを簡単に紹介しておきましょう。

まず、SNSとは「ソーシャルネットワーキングサービス」の略で、目的に応じていくつかのサービスがあります。

〇交流系SNS: Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)」など
・会員同士で情報や意見の交換ができるサービス
〇メッセージ系SNS:LINE(ライン)など
・メッセージ、チャットを会員間でやり取りできる
〇写真系SNS:Instagram(インスタグラム)など
・写真を投稿(共有)することで、コミュニケーションが図れる。一方的に投稿・配信するだけの人も
〇動画系SNS:YouTube(ユーチューブ)など
・動画を通して、メンバーやユーザーとコミュニケーションできる。投稿・配信するだけの人もいる

SNSは、友人をはじめ、同じ趣味を持つ者、同郷同士の交流などが主な目的ですが、タレントやスポーツ選手、有名人、自分がフォローする人の投稿を読む(見る)だけで利用することも可能。必ずコメント、リツイートをする必要はありません。

「顔を隠しているから大丈夫」と考えていませんか?


このように各種SNSは、誰でも参加できるサービスなので、自分のつぶやき、アップした写真は、不特定多数の人の目に触れることになります。もちろん、知らない人をブロックしたり、友人や知り合いだけを招待することはできますから、気になる場合は身内のみで、やり取りするのがよいでしょう。

ただ、「広く交流したい」「新しい友人(知り合い)を作りたい」「有名人になりたい(!?)」と考えているなら、「誰でも見られる」設定にしておく必要があります。オープンにしておくと、交友関係が広がったり、貴重な情報が得られたりしますが、その反面、それを悪用しようという人間がいることも否めません。

彼らはSNSに上げられたコンテンツ、特に写真や動画から、発信者の個人情報を抜き取ろうとします。「本名で登録していないから大丈夫」「顔をスタンプで隠せば問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、投稿には他にも「身バレ(投稿者が、どこの誰であるか、わかってしまうこと)」につながる様ざまなデータが潜んでいるのです。


そのひとつが、写真や動画の背景。たとえば、アップした自撮り写真に周囲の様子が写っていませんか? そこに地名が書かれた電柱、交通機関(電車やバス)、商店街の看板といったものが入っていると、住んでいる場所、また住居は特定できなくても、被写体の行動範囲がわかってしまうことがあります。「まさか」と思うかもしれませんが、好きなタレントのSNS写真から、住む家を探し出したストーカーも存在するのです。

窃盗犯も同様に、SNSを利用して、住所や生活スタイルや住所を割り出し、ターゲットとなる家を物色しています。彼らに狙われないためにも、次回は気をつけたいポイントを紹介したいと思います。