knowledge 不動産売却の基礎知識
不動産売却は人生の大きな決断であり、ほとんどの方にとっては初めての経験なので、不安や疑問がつきものです。しかし、適切な知識と経験をもった信頼できる不動産会社を選ぶことで、新しい生活環境に移行するためのスムーズなスタートを切ることができます。
そこで不動産売却の基本的な知識や流れ、信頼できる不動産会社の選び方について、年間約2,000件の売買取引を行う東海住宅が詳しく解説します。
「仲介売却」「買取」どちらにも
対応できる不動産会社はごく一部
不動産の売却方法は「仲介売却」と「買取」の大きく2種類にわかれます。「仲介売却」は不動産会社による集客活動を通じて買主を探し、取引が成立するまでサポートしてくれる売却方法です。
一方の「買取」は、不動産会社自体が買主となる方法です。実は多くの不動産会社は仲介にしか対応していません。買取もできる不動産会社は、大手を含めてもごく一部です。そのため、売却方法に合った不動産会社を選ぶことが大切です。
不動産売却の流れ7ステップ
仲介売却は不動産会社と媒介契約を結び、販売活動を通して買主を見つけてもらう方法です。売り出しから成約まで、3ヶ月から半年程度の時間がかかることがあります。
一方で買取は不動産会社が金額を提示し、合意すればすぐに売却が可能です。ただし、不動産会社はリフォームや建て替えをして再販売するため、買取価格は仲介売却の相場よりも低くなる傾向があります。買取の場合は、Step.2で買取額を提示され、合意ができたらStep.6の売買契約へと進みます。
Step.1 売却する目的を考えておく
正確な査定をしてもらうには、不動産を売って何をしたいのか、ある程度目的を考えておくことが大切です。
査定担当者はその目的から次の点を検討してアドバイスします。
- 目的を達成するためには、どのくらい販売期間が取れるのか?
- 目的を達成するにはいくら以上で売れないといけないのか?
- 目的の実現可能性はどうなのか?
売る目的は、単純に現金化したいケースから買い替え・離婚・債務整理など多岐にわたり、売り出し価格の設定や注意点に大きな影響が出てしまうからです。
Step.2 不動産会社に査定を依頼する
漠然とでも不動産を売る目的を整理したら、不動産会社に売却相談を行い、査定を依頼しましょう。査定額を提示されたら、どうしてその価格なのか根拠を説明してもらい、担当者が信頼できて、価格にも納得できたらStep3に進みます
Step.3 不動産会社と媒介契約を結ぶ
信頼できる不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約は、仲介売却を1社のみに依頼する「専任媒介」と「専属専任媒介」、複数社に依頼できる「一般媒介」の3種類があり、売主側が選択します。
Step.4 販売活動を開始する
不動産会社と相談しながらターゲット層や販売方法、売出価格などを具体的に決めましょう。販売計画を立て、REINS(不動産流通標準情報システム)の登録やオープンハウスの開催など、売却活動を始めます。希望に応じて内覧の対応も必要です。
Step.5 購入希望者と交渉する
不動産会社を通じて、購入希望者と価格や引き渡し時期、支払条件などの交渉を行います。
Step.6 売買契約を締結する
交渉が成立したら、不動産会社立合いのもと買主と売買契約を締結します。契約の際、手付金を受け取ることが一般的です。
Step.7 決済と引渡しを行う
不動産会社と司法書士の立会いで物件の引き渡しを行います。登記手続きも行い、所有権が移転します。
媒介契約を締結した後は、不動産会社が中心となって売却活動を進めてくれます。
不動産会社と結ぶ媒介契約は3種類
仲介を依頼する不動産会社と締結する媒介契約には、3つの種類があります。それぞれの特徴を理解して、最適な契約を選びましょう。
3つの媒介契約の違いとポイント
※表は左右にスクロールして確認することができます
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
依頼できる不動産会社 | 複数社に依頼できる | 1社のみ | 1社のみ |
不動産流通機構 (レインズ)の登録 |
不動産会社の任意 | 義務:7日以内 | 義務:5日以内 |
状況報告 | 定めなし | 義務:14日に1回以上 | 義務:7日に1回以上 |
自分で見つけた買主との取引 | できる | できる | 制限あり:不動産会社の仲介が必要 |
契約有効期間 | 定めなし | 3ヶ月が上限 | 3ヶ月が上限 |
どの媒介契約を選ぶかで、売却価格や期間に大きな差が出ることがあります。不動産の特徴や売主の事情にあわせて、契約形態を選ぶことが大切です。
それぞれの媒介契約がおすすめなケース
※表は左右にスクロールして確認することができます
契約の種類 | おすすめな物件・人 |
---|---|
一般媒介契約 |
|
専任媒介契約 |
|
専属専任媒介契約 |
|
不動産会社に相談してから決めるのも良いでしょう。
媒介契約を結ぶ際の注意点
専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶ場合は「レインズに登録されているか」「どのような販売活動が行われているか」を不動産会社に確認しましょう。まれに不動産会社が他社に物件情報を公開せず、独占的に販売活動を行うことがあります。
売主にとっては売却機会を逃すことにつながるため、主体的に売却活動に関わることも大切です。
査定評価
正確な査定を受けて物件の価値を把握することは、売却成功の第一歩です。ここで紹介するポイントを理解しておきましょう。
一括査定の注意点
一括査定は複数の不動産会社から査定額をもらえる便利なサービスですが、他社との差別化を図るため意図的に高い金額を提示されることがあります。このような高額査定は、実際の市場価格とかけ離れている場合もあるため、注意が必要です。
高額査定が良いとは限らない
不動産会社が媒介契約獲得のために、高額な査定額を提示することもあります。しかし、最終的に不動産の価格を決めるのは「買主」です。買主は近隣の競合物件の価格と比較して選ぶため、過度に高い価格設定をすると興味を持たれず、売却までに時間がかかるリスクがあります。
信頼できる不動産会社の選び方
不動産売却を成功させるために、地域に根ざした取引実績が豊富な不動産会社を選ぶことをおすすめします。地元の会社はエリアの需要に詳しく、査定額の根拠や売却プランについて的確なアドバイスが期待できるでしょう。
また、仲介だけでなく、買取や不動産の活用方法など幅広い提案ができる会社も、顧客目線で信頼できるパートナーといえます。さらに、営業担当者との信頼関係も大切です。誠実で丁寧に対応してくれる担当者に任せられると、売却がスムーズに進むことでしょう。