不動産広告や賃貸情報で、時々、見かける「半地下」って何?





戸建てや集合住宅にかかわらず、不動産物件を探していると、「半地下」という表示を見ることがあります。
これは地下室部分の一部が地上に出る構造で、倉庫や物置きだけでなく、居住空間としても利用されています。


半地下には賃貸物件の場合は「家賃が安い」、戸建てだと「容積率が増える」といったメリットがありますが、その反面、「陽が当たらない」などのデメリットも報告されています。


そこで今回は「半地下」について調べてみました。



「半地下」と「地下」は同じもの?



「半地下」というと、部屋の一部が地下になっている部屋や建物をイメージすることが多いといいます。
しかし、建築基準法によると、「地下」と「半地下」といった言葉の分別はされておらず、「床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの3分の1以上のもの」を総じて「地階」と定義しています。


かつて、地階を居室として使うことは禁じられていました。
認可されたのは2000年(平成12年)のことで、建築基準法改正により、一定の条件(開口率、換気・除湿設備、防水対策ほか)を満たせば、地下室に居室を作ることが認められています。
主な条件は下記の通りです。


・上部が外気に開放されている、湿気排出に十分な空掘り(ドライエリア)、その他の空き地に面する開口部があるなど。
・居室内の湿度調整・換気の設備(適合基準あり)がある。
・地階が水の浸透しない構造となっていること。
・水の浸透を防止、浸透した水を排出するための防水措置が講じられている。
・防水層が設けられていること。


これらの条件を満たしていれば、地階を居室(居間、寝室、台所ほか)として使うことが可能になります。
そのため近年は、地階を設ける戸建ても増えているようです。



戸建てに地階を設けると容積率アップ



住宅に地階を設ける大きなメリットは、「土地を有効利用」できる点だといえます。
というのも、一定条件をクリアしていれば、地階は「容積率の緩和」を受けることができ、同じ土地敷地面積で地階を設けると、設けなかった建物より延べ床面積を増やすことができるわけです。
なお、容積率とは延べ床面積(建築物の床面積の合計)の敷地面積に対する割合で、用途地域や道路などの状況に応じて、容積率制限が定められています(容積率(%)=延べ床面積÷敷地面積×100)。
※たとえば、100㎡の敷地にある延べ床面積150㎡建物は、容積率150%ということになります。


〇住宅の地階の容積率緩和条件
・地階であること
・地盤面から地階の天井が1m以下であること
・住宅の用途に供されていること


地階の条件を満たした場合、住宅部分の床面積の合計の1/3を限度として、容積率算定上の延べ床面積から除外されます。
例として、1・2階、地下1階の床面積が同じなら、地階の床面積は全て容積率から除かれることになります。
そのため一般的に、従来の1.5倍程度の空間を確保することができ、限られた敷地の中で部屋を増やせるのです。


ほかにも地階には「遮音性・吸音性が高いので、ホームシアターや演奏スタジオなどに最適。
周囲を気にせず利用できる」「室内温度が一定しているため、ワインセラーや食物用の倉庫に適している」「夏は直射日光が当たりにくく涼しい」といったメリットが考えられます。



戸建ては高い建築費がネック。賃貸は家賃が低め?



住宅の地階にはメリットがある反面、部屋数(延べ床面積)を増やすと、どうしても建築費が高くなります。
また地階は防水・防湿工事が必須。そのため一般的に、新築の地階付き家屋の建築費用は、そうでない住宅の2倍以上になるといわれています。


また、防水・防湿設備が整っていても、夏場の結露や近年多い「ゲリラ豪雨」には注意が必要。
特に雨の多い地方や河川に近い場所の場合、より防水・防湿性の高い設計を考えた方がいいでしょう。


一方の賃貸も「夏は涼しい」「騒音が外に出にくい」など、戸建て同様のメリットが見込めます。
また、家賃が低めという声も多く、たとえば、西荻窪1K(20㎡前後。駅徒歩10分程度)の家賃は7~8万円ですが、半地下物件だと5万円強で借りられる物件もあるようです。


デメリットとしては、「陽当たりが悪い(部屋の場所によっては、問題ないケースもある)」「上部に採光部(窓など)が設けられているため、外からのぞかれやすい。
また洗濯物を外に干すと盗まれやすく、特に女性は防犯面に注意が必要」「ゴキブリといった虫が出やすい」「下駄箱やクローゼットを放置していると、カビが生えやすい」などが考えられます。
ただ、洗面所やお風呂場、下駄箱は、地階ではない部屋に住んでいたとしても、定期的な除湿や掃除は欠かせません。
ですから「地階はちょっと不安だけど、駅から近い物件」「同じエリアの物件で家賃が一番安い」など、メリットとデメリットをはかりにかけて、より暮らしやすい物件を選ぶといいでしょう。






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